フードポルノという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
様々な説がありますが、そのなかのひとつ。
女性が完璧な食事を準備するという奴隷的な行為の象徴で従属や欲望をかき立てるヌード写真と同じだとして美しい料理の写真をフードポルノと呼んだ
あるフェミニストによる定義
僕はもっと簡単な意味だと理解していました。
つまり、レストランやカフェでの食事の写真撮影したものをSNSなどに公開して、それを見る人は見るだけで現実的には味わえないというところが、ポルノと同じということです。
ではフードポルノの次は何なのか。
料理の写真を撮る快楽
お店に行き、おしゃべりや食事を食べることそっちのけで料理の写真を撮りまくることが、ここ最近のブームになっているようです。
かくいう自分も喫茶店に行ってはケーキだのコーヒーだのの写真を撮ってはブログの記事にしているという覚えがあります。
ですから料理の写真を撮ってSNSに投稿したいという気持ちもある程度はわかります。
もっとも僕の場合、料理の写真というよりそのお店の雰囲気について読んでくれる人に伝えたいという思いがあります。
さらに、最近は喫茶店等に行っても店内の写真はあまり撮らないようにし、出来るだけ言葉で表現するように心がけています。
むやみに写真を撮って公開すると揉め事になる恐れがあると知ったからです。
今やお店で撮影した料理の写真をブログやSNSで公開するという行為はずいぶんメジャーな娯楽(?)になりつつあると思います。
ブログ運営者やSNS利用者はこぞって料理の写真を公開しています。
うちの嫁もよくFacebookに投稿しています。
禁止する店も現れる
日本橋高島屋の特別食堂という老舗の食堂では新装開店に伴い、店内での写真撮影は一切禁止したそうです。
あまりにも料理の写真を撮る人が多すぎて、他のお客さんからお店に苦情があったからだとか。
ただ禁止を明確に表明するほうが少数派で、大部分の飲食店はブームに乗っかって写真を撮ってもらうことに熱心であるということ。
写真を撮って一方的に公のネットに公開するのは確かに見る側からすれば、ただ指をくわえて見ているだけという意味でフードポルノと呼ばれてもごもっともな気はします。
キャリアポルノ
自己啓発本を読みあさり「すごい人」になった気分でいるのがフードポルノを見ているだけの行為に似ているという揶揄です。
確かに今に始まったことではありませんが、世の中には自己啓発本が溢れかえっています。
僕も恥ずかしながら若い頃はいろいろ自己啓発にハマりました。キャリアポルノばっかり楽しんでました。
今は自分の置かれている立場と自己啓発経験とのギャップがありすぎるから、逆にそういう経験については滅多に人には語りません。
自己啓発なんて人知れず自己を啓発するものだという持論です。
確かに有言実行というすばらしい言葉もありますし、なにかを実現しようと思ったら周りに宣言する方が逃げ場がなくなり実現が近づくという話も知ってます。
でも狼少年になってしまうこともあります。
結局自分はなにもすごいことを実現できないのかと思い絶望していた時期もありました。
今はコツコツとブログを更新しているぐらいですが、何もしないよりはマシです。
いや、役にも立たないブログでは何もしないほうがマシか?
そんな揶揄を受けないように明日のネタでも探すとしましょう。
今日の記事は朝日新聞2014年4月23日朝刊の文化欄「フードポルノ 蜜の味」よりインスパイアされて書きました。