先日見せてもらった友人の自転車は同じメーカー(GIANT)ですが、最初からボトルケージが2ヶ所つけられるようにボトルケージ台座が2ヶ所付いています。
自転車愛好家にとって、長距離ライドや暑い季節の走行時に十分な水分補給ができることは非常に重要です。そのため、ボトルケージの数は快適なサイクリングを左右する重要な要素の一つといえるでしょう。本記事では、ボトルケージ台座が1箇所しかない自転車に、DIYで台座を増設する方法をご紹介します。
ボトルケージ台座の基本
標準的な仕様
一般的に、自転車のボトルケージ台座は以下のような仕様になっています:
– ネジのピッチ(2本のネジの中心距離):65mm
– 世界中で統一された規格
– 多くの自転車メーカーが採用
この標準規格により、どのメーカーのボトルケージでも、ほとんどの自転車に取り付けることができます。
台座の数
自転車によって、ボトルケージ台座の数は異なります:
– 2箇所ついている自転車:長距離ライドに適している
– 1箇所しかない自転車:軽量化や見た目を重視したモデルに多い
DIYでのボトルケージ台座増設
なぜDIYで増設するのか
1. コスト削減:専門店での作業依頼よりも安く済む
2. カスタマイズの自由度:好きな位置に台座を取り付けられる
3. 技術の習得:自転車整備のスキルアップにつながる
必要な工具と材料
1. ドリル(4.2mmまたは4mm)
2. M5タップ(ネジを切るためのネジ、品質は微妙だが大型百均店舗でも入手可の場合あり)
3. タップハンドル(プライヤーで代用可)
4. M5×10mmキャップスクリュー2個
5. ボトルケージ(100円ショップなどで購入可)
これらの工具と材料は、ほとんどのホームセンターで入手可能です。
増設手順
1. ボトルケージの位置決め:
– 立管(シートポスト)に取り付ける場合が多い
– ボトルケージを当てて、ネジ穴の位置に印をつける
2. 下穴開け:
– 4.2mmまたは4mmのドリルで下穴を開ける
– 慎重に作業し、フレームを傷つけないよう注意
3. ネジ切り:
– M5タップを使用してネジを切る
– タップハンドルを使用し、ゆっくりと丁寧に作業する
ねじ切りを自分で行うほかに、下穴をもう少し大きめにあけてリベットナットを組み込むという方法もあります。リベットナットについてはこちらの記事で少し触れているので参照してください。
4. ボトルケージの取り付け:
– M5×10mmのキャップスクリューでボトルケージを固定
– ネジの締め付けは適度に、フレームを傷つけないよう注意
100円ショップのボトルケージについて
100円ショップで販売されているボトルケージは、標準的な自転車用ではない場合があります:
– ネジピッチが40mm程度のものが多い
– ハンドル取り付け用のものが中心
– 自転車のフレームに直接取り付けるには工夫が必要
しかし、これらの製品も適切な方法で取り付ければ、十分に使用可能です。
ボトルケージの選び方
ボトルケージを選ぶ際は、以下の点に注意しましょう:
1. ボトルの太さ対応範囲:
– 一般的に φ63~74mm 程度のものが使いやすい
– 夏場の長距離ライドでは大容量のボトルが必要になる場合もある
2. 材質:
– プラスチック製:軽量だが耐久性に欠ける
– アルミ製:軽量で耐久性がある
– カーボン製:最軽量だが高価
3. デザイン:
– サイドエントリータイプ:ボトルの出し入れがしやすい
– トップエントリータイプ:ボトルの保持力が高い
4. 価格:
– 100円ショップの製品:コスパは良いが耐久性に不安
– ブランド製品:信頼性は高いが価格も高め
DIY増設の利点と注意点
利点
1. コスト削減:専門店での作業よりも安く済む
2. カスタマイズの自由度:好きな位置に取り付けられる
3. 技術の習得:自転車整備のスキルアップにつながる
4. 満足感:自分で改造した愛車への愛着が増す
注意点
1. フレームへの影響:穴を開けることでフレームの強度が低下する可能性がある
2. 保証の問題:自己改造により、メーカー保証が無効になる場合がある
3. 作業ミスのリスク:不適切な作業によりフレームを傷つける可能性がある
4. 安全性:適切に取り付けられていないと、走行中にボトルが外れる危険性がある
まとめ
ボトルケージ台座の増設は、長距離ライドや暑い季節のサイクリングをより快適にするための有効な方法です。DIYで行うことで、コストを抑えつつ自分好みのカスタマイズが可能になります。
しかし、作業には細心の注意が必要です。フレームに穴を開けるという不可逆的な改造を行うため、自信がない場合は専門店に依頼することをお勧めします。
また、ボトルケージの選択も重要です。自分の使用状況や好みに合わせて、適切な製品を選びましょう。100円ショップの製品でも工夫次第で十分に使えますが、長期的な使用を考えると、信頼性の高いブランド製品を選ぶのも一案です。
最後に、どのようなカスタマイズを行う場合も、安全性を最優先に考えることが大切です。適切に取り付けられたボトルケージは、長距離ライドや暑い日のサイクリングを格段に快適にしてくれるでしょう。自分の手でカスタマイズした愛車で、より楽しいサイクリングライフを送りましょう。