きっかけは先日娘が成人式を迎え、着終わった振袖をクリーニングに出してみたところクリーニング屋さんから保管は桐の収納ケースに限ると教わったのです。
で、クリーニングが終わる頃までに連絡をくれれば収納ケースのサイズに合わせて畳んでくれます。
畳み方がおかしいとせっかくの着物でも変なところにしわが出来てしまい、次回使うときに困ります。
なぜ桐のケースが良いかというと防湿・防虫効果があるからです。高価な衣装になると収納ケースにもお金がかかるようになります。
クリーニングが終わるまで10日~2週間程度かかるようなので、終わるまでに買っておかないとと思い、桐の収納ケースを探すことにしました。
軽く調べてみると確かに桐の収納が最適のようです。
しかし意外な現実もわかってきました。
【成人式関連オトク情報】
Amazon1本に絞るもいろいろあり迷う
Amazonやら楽天やらその他やらと売っているところは多数ですが、あまり迷いたくないのでAmazon1社に絞ります。
Amazonでは「桐 収納」で検索してみました。
Amazonのなかでも多数桐の収納ケースが売られていて迷います。
ただ、大型のタンスでなければ思っていたほど高価でもありませんね。
高価ではありませんが、かといって適当にどれでもいいやというわけにはいきません。大切な着物を守ってもらわなければならないので。
決めたのはこれ
3段のものにしたのは嫁の母親の形見で何着か和服があり、それも収納したかったためです。娘の1着だけなら引き出し型ではなく箱型で十分だったでしょう。
これのほかにももっと安そうなケースもあったし、同程度の価格で質が悪そうなものもありました。
ただ今回注文した収納ケースが最善だったとは全然思っていません。
一度きりしか買わないような収納ケースなのだからもっと慎重に検討するべきだったかもしれませんが、そんなに予算も割けないのでこれくらいにしたのです。
なぜ最善ではないのか?
Amazonや楽天をはじめとした通販で売っているケースは当然ながら出来合いです。
桐のタンスをはじめとした収納具は注文生産が普通だそうです。
出来合いを買うという時点で妥協をしてしまっているということになります。
桐の衣装ケースを注文するとなったら本来、娘が生まれたときに桐の木を植えておくべきだったわけです。そして嫁入りのときに桐のタンスを作って持たせてやるという古流のやりかたがありました。
キリは日本国内でとれる木材としては最も軽い。また、湿気を通さず、割れや狂いが少ないという特徴があり、高級木材として重宝されてきた。日本では箏や箱、家具、特に箪笥の材料として用いられることが多く、桐箪笥といえば高級家具の代名詞である。かつて日本では女の子が生まれるとキリを植え、結婚する際にはそのキリで箪笥を作り嫁入り道具にするという風習もあった。キリは成長が早いためこのようなことが可能なのである。
引用元: キリ – Wikipedia.
しかし植える場所がないし、娘が生まれたときにそこまで思いつかなかったです。
しかも、多くの桐収納ケース商品説明には必ず「日本製」とこれ見よがしに謳っています。
あるメーカーサイトを見てみると伝統工芸品としてとして認められているのは5府県のみだそうです。
まあそんなたいそうな伝統工芸品を買う気力はないですけどね。
現在、産地として国が認めている所は
- ・新潟県 加茂 加茂桐箪笥
- ・埼玉県 春日部 春日部桐箪笥
- ・愛知県 名古屋 名古屋桐箪笥
- ・大阪府 泉州 大阪泉州桐箪笥
- ・和歌山県 紀州 紀州箪笥
の5府県になり、この5府県で製造された桐たんすのみが、国に認められた「伝統的工芸品」と呼ばれます。 またその他にも、都道府県が独自に定めた、伝統工芸品もあります
日本製と書けば信頼性が保証されているという「幻想」を消費者に抱かせているのではないでしょうか。
日本製と書いてあっても日本で加工製造したものであるかもしれませんが、材料は必ずしも日本産とは限りません。
日本産の桐がやっぱり良いのでしょう。
品質のよくない中国桐を使っていても表記は「総桐」「桐100%」となります。
また、もっとも悪質な表記方法として、中国材を使い、国内の家具メーカーで製造された商品は「日本製 総桐」などど表記されています。
「日本製 総桐」などと書かれていると、すべてが日本のもの(材料も製造も)のように思ってしまいます。
これは中国材を使っている事を感じさせないようにした非常に悪質な表記方法だと思います。
また家具職人・たんす職人と桐たんす職人とは製造方法や工程などまったく違う技術ですので、ご注意下さい。
ちなみに桐のタンスにはパウロニン、セサミンなどの成分が含まれており防虫効果があるそうです。
それだけは期待しましょう。
まとめ
ということで理想は理想として現実には安いものを買わなければならないときもあり、Amazonで注文はしました。
一応日本製ですから、加工精度はほどほどには出来ていると思います。
材料による経年劣化がどの程度起きてくるか今後数年かけて見守っていこうと思います。
せっかく買ったのに強くおすすめできないのが残念です。
ひとつの知識としてポストしておきます。