成人式は人生の大切な節目であり、その思い出を形として残す振袖は特別な意味を持ちます。私の娘が成人式を迎えた際、振袖のクリーニングを依頼したところ、保管には桐の収納ケースが最適だと教えられました。これをきっかけに、桐の収納ケースについて調べ始めた私の探求の旅をお話しします。
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桐の収納ケースが推奨される理由
クリーニング店から桐の収納ケースを勧められた理由は、その優れた防湿・防虫効果にあります。高価な着物を長期間美しく保つためには、適切な保管方法が不可欠です。桐には自然の防虫成分であるパウロニンやセサミンが含まれており、虫害から大切な着物を守ってくれます。また、湿気を吸収し放出する特性があるため、カビの発生も抑えられます。
キリは日本国内でとれる木材としては最も軽い。また、湿気を通さず、割れや狂いが少ないという特徴があり、高級木材として重宝されてきた。日本では箏や箱、家具、特に箪笥の材料として用いられることが多く、桐箪笥といえば高級家具の代名詞である。かつて日本では女の子が生まれるとキリを植え、結婚する際にはそのキリで箪笥を作り嫁入り道具にするという風習もあった。キリは成長が早いためこのようなことが可能なのである。
引用元: キリ – Wikipedia.
収納ケース選びの旅
私は主にAmazonで「桐 収納」というキーワードで検索を始めました。予想以上に多くの選択肢があり、価格帯も様々でした。高価な大型タンスから手頃な引き出し型まで、用途や予算に応じて選べるようです。
最終的に私が選んだのは、3段の引き出し型の桐たんすでした。娘の振袖だけでなく、亡き義母の形見の和服も一緒に収納したいという思いがあったためです。価格も手頃で、日本製という点も安心材料でした。
しかし、この選択が最善だったとは思っていません。桐の収納ケースについて調べれば調べるほど、その奥深さと複雑さに気づかされました。
桐収納の深い世界
伝統的には、娘の誕生時に桐の木を植え、結婚時にその木で箪笥を作るという習慣があったそうです。これは桐の成長の早さを利用した、美しい風習です。現代では難しいかもしれませんが、この話からも桐箪笥に込められた思いの深さが伝わってきます。
また、「日本製」という表記についても注意が必要です。材料が日本産とは限らず、中国産の桐を使用していても「総桐」「桐100%」と表記されることがあります。さらに、中国産の材料を日本で加工した場合でも「日本製 総桐」と表記されることがあり、消費者を混乱させる可能性があります。
品質のよくない中国桐を使っていても表記は「総桐」「桐100%」となります。
また、もっとも悪質な表記方法として、中国材を使い、国内の家具メーカーで製造された商品は「日本製 総桐」などど表記されています。
「日本製 総桐」などと書かれていると、すべてが日本のもの(材料も製造も)のように思ってしまいます。
これは中国材を使っている事を感じさせないようにした非常に悪質な表記方法だと思います。
また家具職人・たんす職人と桐たんす職人とは製造方法や工程などまったく違う技術ですので、ご注意下さい。
国が認める伝統工芸品としての桐箪笥は、新潟県加茂、埼玉県春日部、愛知県名古屋、大阪府泉州、和歌山県紀州の5府県で製造されたもののみです。これらは高品質で信頼性が高いですが、それだけに価格も高くなります。
現在、産地として国が認めている所は
- ・新潟県 加茂 加茂桐箪笥
- ・埼玉県 春日部 春日部桐箪笥
- ・愛知県 名古屋 名古屋桐箪笥
- ・大阪府 泉州 大阪泉州桐箪笥
- ・和歌山県 紀州 紀州箪笥
の5府県になり、この5府県で製造された桐たんすのみが、国に認められた「伝統的工芸品」と呼ばれます。 またその他にも、都道府県が独自に定めた、伝統工芸品もあります
妥協と現実のバランス
理想を追求すれば切りがありませんが、現実には予算や時間の制約があります。私も完璧を求めるのではなく、できる範囲で最良の選択をしたつもりです。選んだ収納ケースは日本製で、ある程度の品質は期待できると信じています。
ただし、この経験から学んだのは、「日本製」や「総桐」といった表記だけでなく、製造元の信頼性や使用されている材料の産地にも注目することの重要性です。また、予算が許すなら、伝統工芸品として認められた地域の製品を選ぶのも良い選択肢かもしれません。
今後の展望
購入した桐の収納ケースの性能や耐久性については、これからの数年間で判断していくことになります。経年変化や保管状態の変化を注意深く観察し、必要であれば追加の対策を講じるつもりです。
この経験を通じて、単なる収納ケース選びが、日本の伝統工芸や消費者としての賢明な選択について考える機会となりました。完璧な選択はなかったかもしれませんが、大切な思い出を守るための一歩を踏み出せたと感じています。
最後に
桐の収納ケース選びは、予想以上に奥が深く、簡単には結論が出せないテーマでした。しかし、この過程で得た知識は、今後同じような選択をする方々の参考になるかもしれません。大切なのは、自分の状況と優先順位を明確にし、可能な範囲で最良の選択をすることです。そして、その選択に至るまでの過程も、また一つの思い出として大切にしていきたいと思います。
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