過去に買ったカバンが100%気に入っているわけではないという話がありました。
そしてとうとう自分でカバンを制作する気になりました。
まずはおなじみ行田の生地屋さんキャロットへ革を買いに行きます。
売り出し期間中だったので立派な革生地が2割引きだったかな5000円でも安いのに4000円で買えました。
キャロットで生地買う
革を見るとワクワクします。これでいろいろ作ってみたいと思いますが実際には革細工はなかなか大変です。でも道具をちゃんと揃えればまあできなくもないでしょう。
買う革はこれではなく赤茶色っぽくて厚さ2mmぐらいの硬めの選びました。
トコノール
革の裏側のサバサバしている部分に塗るのだそうでAmazonで買いました。別に塗らなくて済みそうな気がしましたがどうせ作るなら一生ものという考えなので塗ります。
その他の道具
▼木槌の代わりにダイソーでプラスチックハンマー(108円)、蝋引き糸(Amazon)、菱目打ち(楽天)
型紙作成
革細工だろうと普通の布の縫製だろうと型紙さえ作ってしまえば終わったようなものとお考えですか?普通の布での縫製でしたらそれもいえるかもしれませんが、革細工は型紙作って革を切ってからが山場です。
▼型紙は薄いランドセルを作るイメージで書きました。そして13インチのノートパソコンが軽く入り、もしかしたら15インチのノートパソコンも無理すれば入るかもしれない絶妙な大きさを狙いました。実際には完成してからのお楽しみですが。
革にトコノール塗る
実際には革を型紙に合わせて切る前にトコノールを塗ったほうがやりやすいです。なぜなら隅っこにトコノールを塗りにくいからです。まだ生地がつながっている状態のほうが断然塗りやすいです。
▼型紙を革に置いていきなるべく無駄がでないように配置しています。
▼トコノール垂らしてガラスコップで塗りました。トコノール塗るためのガラス板というのもネットやお店で売っていますが、それだけのためにガラス板買うのもちょっとナンなので手近な肉厚のガラスコップでやっちゃいました。
▼やってできないことはない。やや厚肉のガラスコップだったら全然大丈夫です。あとで洗剤でちゃんと洗っておけばコップとしてまた使えますし。
縫い目に沿って菱目打ち
▼菱目打ちという道具を用意しました。
下敷きには厚めのゴム板を敷きましょう。革細工洋品店(ハンズみたいなところ)でも売ってますが、ホームセンターの方が安いんじゃないでしょうか。
そして菱目打ちを打つのに木槌が要りますが、100均のプラハンマーでも大丈夫でした。
革に縫い目になる穴を開けていくわけですが、ちゃんと貫通させないと縫うとき死ぬほど大変だということを痛感しました。
そして2枚重ねて縫うときに微妙に縫い目の穴がズレていく恐怖も味わいました。
ですから菱目打ちを使うときには予め縫う部分を重ねて動かないように固定して2枚重ねた状態でちゃんと突き通すように穴あけをしましょう。(我流)
或いは縫いながら穴を開けていくとかね。
縫う
▼革専用の縫い針とこれまた革用の蝋引き糸というのを用意します。針に糸を通したものを2本用意します。
▼あとはこんな風に両側から文字通り縫うように縫うのです。端っこの始末はあとでやりますがプロみたいに上手にはできないと覚悟しています。
これに関して追記(2017/8/19)
針を両側から同時に挿すのは極めて危険でありやり方としては間違っておりました。正しくは、というかもっと良い方法は片側だけ先に通してしまい、後から針を挿すときに先に通してある糸を引っ張ってテンションかけながらやると糸に針を刺さずにできます。多少のコツを掴めば早いです。
大事なのは予め菱目打ちでしっかり穴を開けておくことと、穴の位置ができるだけシンクロしていることです。
いったんまとめ
こんなふうに革でカバンを作ることを始めてしまいましたが、大体普通の布を使う裁縫であれば型紙に合わせて切るまでが段取りであとはミシンでチャチャチャっと縫うだけという感覚です。
ところがこの革細工の場合は縫うところからが本番です。実に進まない。
すでに途中で挫折して完成前にブログ記事をこうして完成させてしまおうとしているのです。ぜんぜん 完成が見えてこないんです。
ビトンやジバンシーの革鞄が高いのも当然です。あれだけキレイに作るには相当な気の使い方はもちろん何度かの不良での作業戻りもあるでしょう。
そういった不良率や時間のかけ方、そして手練の職人への高い手間賃などを考えると20万?安いわあって思いますw
それではまた、完成に近づいたら追記します。ちなみに今回紹介した道具の中で100均で揃いそうなのはプラハンマーとゴム板とコップと型紙用紙です。
【追記】2017年12月某日
箱型になりマグネットホックつける
一応年内には完成までこぎつけたので追記しておきます。
▼結構あちこち縫い進めてから気づいた点。最初の縫い始めは1本の糸で始めれば片側の始末はしなくていいんじゃんてこと。それまで2本の糸を通して縫い始めと縫い終わりとそれぞれ糸の始末をしていました。バカでした。
▼ある程度箱型の形状になったところでマグネットホックを取り付けました。しかしたかがマグネットホックと思っていても位置が微妙に合わないと付け直しを余儀なくされます。
1組だったらまだそうでもないけど、2組付けると嵌めたとき微妙にピッチが合わないと感じました。結局不安定さにガマンできず位置をずらして調整したのでした。
Dカンつける
▼ショルダーベルトを付けるためのDカン縫い付けも最初からちゃんと設計しておけばこんなふうにベルト部分が表に出ずに内側にしまえたのに。無計画に作った典型です。
ブロンプトンにつけてみる
▼ここで一旦自転車に取り付けてみましょう。例によってわがブロンプトンに取り付けてみます。何しろ目的はこのブロンプトンにもう少しちょうどよい大きさのバッグを着けたいという欲望からスタートしたのですから。
▼ちょっと大きくて頭でっかちという印象ですか。ちなみにキャリアフレームは手作りです。
▼まだこのキャリアフレームならハンドルとそれほど干渉しないし、カバンそのものも干渉しないで済んでます。イケそうかも。
内部の工夫
▼内側にはこんなポケットをつけてみました。箱型の形状維持と小物入れにもなるという2つの機能を備えた優れものです。
▼さらにいうとノートパソコンを入れたときの位置安定の役目も備えています。偶然ですが我ながら凄い仕掛けだと自画自賛します。ちなみにパソコンは13インチ。
▼自分で作るのでとことん欲張って15インチのパソコンも入るようにしたのでした。こちらが15インチのMacです。少しキツイながらもぎりぎりはいっちゃうんです。
完成形
▼最終的には天部分に取っ手も着けました。たかが取っ手ですがちゃんとステッチも縫いました。あとフタ部分にもステッチ処理しました。全部手縫いなのでクソ面倒くさいです。
▼完成したことはしたんですがやや大きくて持て余しそうな予感がしています。
残る課題
一応完成はしましたが課題として自分で認識していることがありましてまだ改造しなければならないと思っています。
- 縦長なので小物を入れたときに下に溜まって上が空いてしまう。上にも効率よく小物を入れておけるような機構
- 或いは中に仕切りを設ける
- マグネットホックのカシメ部が剥き出しなので隠す
- 外にポケットが一つもなくて寂しい
今のところ思いつくのはこんなところですがこれで本当に完成というふうに思える日が来るのか不明です。
ただ革細工というか革鞄を作ったのは初めての経験でものすごく大変なものだということは痛感しました。
途中で自分の指にも穴を開けてしまい血がダラダラ垂れてきたという経験もしました。そうなったらなんとしても完成させないとという意地はでますけどね。
こんなカバンですがもしかして誰か欲しいという人いるかしら。売るならあまり使わないうちでしょうね。