去る3月4日に東京は六本木で三菱電機の新型霧ヶ峰展示発表会がありましたので行ってきました。
これは予め抽選があって、当選した人だけ行けるイベントでした。
このようなイベントに応募したことは過去に1度か2度ぐらいありましたが、今回初めて当選し観に行くことができました。
きっとぼくが前に三菱電機のエアコン霧ヶ峰を自分でDIYで取り付けた経験を買ってくれたのでしょう。
イベント様子と新型霧ヶ峰FZシリーズがどんなエアコンなのか紹介します。
2つの障害を克服した画期的な霧ヶ峰
その1:寒がりな人と暑がりな人の共存
今までのエアコンは部屋内の気温を一定に保つという機能しかありませんでした。
それまで部屋の中にいた人がちょうど良い設定温度だと思っていたのが、外から来た家族が部屋に入るなり暑すぎるだの寒すぎるだのとリモコンの取り合いになるという事態に発展します。
下手をすると家族関係がギクシャクする恐れもでてきます。
それを解消するために生み出されたのがパーソナルツインフローというプロペラを2基室内機内に設置した構造です。
温度センサーが人の手先足先の温度を見分け、さらに2つのファンが強弱を微妙に調整してそれぞの人にとって快適な温度に風を送るのです。
その2:小型・高出力モーターとW型エバポレーターによる省エネ実現
従来のラインフローファンによる送風機構だと室内機の内部の熱交換器の表面積を大きくすることができないことやファンの出力の限界などによって省エネと高効率の両立が既に限界に達していたのです。
そこでモーターを小型化しつつも出力を高くし、さらに室内機内部の横から見てコの字型だった熱交換器をWの形にすることにより熱交換効率を向上させました。
これにより画期的な省エネを実現したのです。
▼またムーブアイ極という人感センサーで室内の人の表面温度を検知する能力が向上しています。
ほかにもいろいろあるのですが、これらのイノベーションの組み合わせにより室内一人ひとりの快適温度の実現と、省エネの実現がかなったといえます。
▼普通の家庭用エアコンの室内機にはこんなプロペラは入っていませんでした。
でもこれにより31%も消費電力が改善されたとは!!
じゃあ、最初からこういう形でやればよかったじゃんって疑問が当然出ますが、どうも設置容積とか力率みたいなもろもろの問題があって実現できなかったようです。
▼従来型は横から見るとこんなふうに筒型のファンを熱交換器が囲んでいる構造です。
▼FZシリーズは横から見るとWの形をした熱交換器が配置されて真上に2つの扇風機のようなファンが配置されています。
熱交換器の搭載量(≒表面積)が22%拡大されます。それはつまり同じ風量でも熱交換の効率がよくなるということです。
▼上記の数値改善で今までの傾向だと5年かかっていた省エネ改善が1年で達成されたのだとか。
▼これのおかげで省エネ対象最高賞を獲得したのでした。FZシリーズすごいです。
エアコン解体ショウ
パネルでのプレゼンのあとにはマグロの解体ショウならぬエアコンFZシリーズの解体ショウを見せてくれました。
ちなみにぼくはこのようなブロガー向けの体験会に初めて参加したので他の方々のテンションの高さにちょっと引き気味でした。
▼このファンの構造一つ取ってもすごく苦労して開発した様子を解体してれた技術者の人が説明してくれました。
ファンモーターから本体に振動が伝わらないようにモーターケースそのものではなく、ベルマウスというファンのまわりの部分を一体にして衝撃吸収のクッションを配置しているのだとか。
まるでトーレンスのフローティングサスペンションみたいだなと思いました。
レコードプレーヤーも床からの振動がターンテーブルに伝わらないようにターンテーブルとアーム部分が一体になって浮いている構造のものがあります。それと似ています。
▼モーターも左の従来タイプから右のようにすごく小さくできて彼らは本当にこの日の発表が嬉しそうでした。
最後の方では本当に泣き出してしまいそうな感じで感極まった感じでこちらもちょっとウルっときそうになってしまいました。
今日はこう思ったよ
最新型であり最上位機種でもあるわけで価格は出力にもよりますが30万ぐらいからだそうです。個人的には今は無理ですが魅力的ではあります。
うーん、これからの売れ方次第でこの構造がスタンダードになるかもしれません。