N-BOXは自動車としては素晴らしいがしょせん軽自動車であり良質な音楽や快適な鑑賞環境を得ようとすると少々手間をかけなければならない。
オプションでピュアサウンドブースというのがあるが、それと同じことをすればよいだけで実際にやってみるとかなり簡単でお金を払ってやってもらうのがばかばかしいほど。ただし運転席と助手席だけに限り、全席となるとやはり面倒。
今回はその自分で良質の音を得るためにやったデッドニング作業を紹介する。
左右同時に施工したのではないので写真は左右のものが混在しているが見た目はぜんぜん違っていることをお許し願いたい。
【関連】
N-BOXのデッドニング目的
N-BOXは日本一売れている素晴らしい車であるがしょせん軽自動車である。
細部の作りは甘い。もちろん必要最低限のレベルはたもたれているが例えばオーディオ。スピーカーで低音をちょっと大きい音で出すとドアがびびる。
これはいただけない。あまり大きい音を出さなければよいのだが、ちょっとテンションが上がってきて、まわりに車もない田舎道だと大きい音で出してもいいかなと思うときがある。
そんなときに低音でドアが音楽と同期してビビっビビっと震える音がすると萎える。
そういった重低音をだしたときのビビリをなくしたい。ただそれだけ。もっと車室内が静かになればなお良いがそこまでは望まない。
防音室とかのような環境までは無理だ。
そこでデッドニング工事を行う。デッドニングとは簡単にいってしまえばスピーカー周りの余分な音の出る要素を除外して純粋にスピーカーから鳴る音だけを楽しもうという試みだ。
純正オプションピュアサウンドブースの内容
ここでネタバラシみたいなことをして良いのかどうかわからんが、実車を見れば誰でもわかるので公開しよう。
- 純正オプションピュアサウンドブースの工事内容は自分が見た限りではスピーカーの後ろ及び周辺のドア鉄板への吸音材貼り付け
- ドア内張り裏側への吸音材貼り付け
- ドア窓部の三角部品内側への吸音材貼り付け
- あとどこかわからないが制振シート貼り付け
以上ではないかと思う。これだけであの値段(値引きされて35000円ぐらいだったか)はかなり高い。高いとは思っていたが想像以上に高い。ただし4枚ドアとバックドアだ。安い。
ただてっきりオーディオ屋さんがやるみたいにドア内側にびっしり防振材でエンクローズしてるのかと思っていたが拍子抜けにもほどがある。
ピュアサウンドブース|ナビ・オーディオ・ETC|N-BOX|Honda Access|Honda公式サイト
デッドニング工事の準備
材料
材料名 | 特徴 | 手持ち有無 |
シンサレート | 軽量で吸音効果 | ない |
ウレタン吸音ボード | 安眠ベッドみたいなので軽量かつ吸音効果 | 某所から入手 |
レジェトレックス(防振ゴム) | やや重く鉄板の共振防止効果 | 某所から入手 |
ニードルフェルト | 軽量で吸音効果あるが埃っぽい | あり |
両面テープ | 貼り付けるのに必要 | あり |
アルミテープ | 貼り付け補強 | あり |
エアロフレックス断熱材 | 断熱材だが吸音にも期待 | 某所から入手 |
一般的には以上のような材料のいずれかを組み合わせてつかうが、俺の場合、有無というとことにありと書かれているものが手持ちであるのでそれのみ使って施工する。
完璧にやりたい人はシンサレートやウレタン吸音ボードを買うべし。もっともシンサレートってニードルフェルトを不織布で包んだものっぽいし、ウレタン吸音ボードはそのシンサレートかニードルフェルトで代用できるような気がする。
ニードルフェルトはホームセンターで切り売りしてくれる。
個人的な見解であるから異議あればツイートでもしてほしい。
▼これがレジェトレックスだと思っているが違うかもしれない。結構重い。裏側には両面テープが貼られている。入手経路は某職場で余っていたのを失敬した。
工具
工具はほとんど必要ないのがうれしい。N-BOXの場合以下の2点があればほかは不要。
- プラスドライバー
- 内張り外しジグ
工事手順
内張り外し方
まずはデッドニングの本作業に入る前にドアの内張りを剥がす作業を行う。これが準備作業だ。
昔のクルマはデッドニングといえばドアの内張り剥がし作業が大部分で内張りさえ剥がせば8割型作業が終わったようなものと自分でも思ったことはあるが、N-BOXは違う。
内張り剥がしは簡単すぎて8割なんてとんでもない。3〜4割程度なものだ。
ではスタート〜内張り剥がし〜デッドニング施工直前までの手順を記す。
- ドア窓全開にする
- 三角部品をはずす(手で車内側に引けば外れる)
- 2箇所のビスを外す(ドアノブ、ドア取っ手)
- 内張り外しジグを隙間に差し込んで梃子で手前に引き1箇所か2箇所クリップを外す(後ろ下あたりがベター)
- 11箇所ある内張り固定のクリップを外す
- 電装品コネクターを外す(運転席は3箇所、助手席が1箇所)
- スピーカー固定しているビスを外す
- スピーカーを少し持ち上げてから手前に倒してスピーカーユニットを外す
防振ゴム施工
- ビニール上半分剥がす
- そこそこ平らな箇所に貼る
- 裏側にも適当に貼る
- 好みに応じてガラス窓を上げて外側鉄板にも貼る
- ビニール下半分剥がす
- 同様に防振ゴム貼る
▼純正オプションピュアサウンドブース施工見本車でもドア鉄板にはほとんど処置がされていない
▼ビニール上半分下げたところ
▼こちらは助手席側の上半分に防振ゴムを適当に貼ったところ
▼こちはは運転席側
▼助手席側下半分のビニールを持ち上げたところ
▼これは運転席側下半分に防振ゴムを貼り付けおわった状態だ。
▼一応スピーカー付近に防振ゴムを重点的に貼り付けた。
吸音材施工
スピーカーの後ろドア鉄板に貼る
▼純正オプションピュアサウンドブースでの吸音材施工模範状態
▼今回入手した吸音材だがちょっと厚すぎて持て余し気味
▼こちらはそれを真似てのドア鉄板への吸音材貼り付け
内張りの裏側に組まなく貼る
▼純正オプションピュアサウンドブースでは内張り裏側にきれいに吸音材(たぶんシンサレート)が貼ってある。
▼これが助手席側だ。上のほうには厚めの吸音材を貼ってしまったので内張りをはめられるか心配。
▼こちらは運転席側。あとからやったのでほんの少しマシにできた気がする。
戻して完成
戻す手順はいうまでもないが外すときと逆に行えばよい。
- スピーカーを戻しビス固定
- クリップを内張りにつける
- 電装品コネクターを嵌める
- 内張りを押し込んで嵌める
- 内張り固定ビス締め付け
- 三角部品戻す
デッドニング作業なにが一番面倒か
やってみてまず思ったのはもう後ろのドアはやりたくないってこと。
なぜなら面倒くさい。なにが面倒くさいのか。
- 内張り外しはそれほどでもない
- 貼るのがやや面倒
- ブチルゴムに気をつけるのが神経使って疲れる
- 吸音材やら防振ゴムやら形を考えながら切り貼りするのが面倒
- 両面テープの剥離紙が簡単に剥がれないからイラッとする
こんなところだ。
自動車メーカーはすでに生産技術が確立されているから作業者がイラッとしないようにスムーズに作業できるように工夫されているだろうが、にわか作業者がたまにやるのは手順も工夫もないのでくたびれる。
これならオプション料金を払ってしまったほうが楽かなとも思う。
効果測定と感想
1回めの適当なデッドニングでもそこそこ良くなったので2回めをやったあとは、かなり良くなったということをここで書ければ完璧なんだがさすがに素人工事なので完璧かというと否である。
ただよほどの大音量でオーディオを鳴らさなければビビリはなくなった気がするのと外からの騒音(ロードノイズ)が後ろから聞こえるのが際立つようになった。つまり運転席と助手席の静音化にはおおむね成功したといえる。
この調子で後部座席のスライドドアもやりたいところだが内張りを外すのがどうも面倒そうなのだ。そのうち気が向いたらやりたいと思うが当面放置する。
とにかく運転席と助手席に関しては施工がかなり簡単だからもしスピーカーまわりのビビリ音が少しでも気になるようならDIYでやってみてはいかがだろうか。
エーモンからデッドニングキットというのが売られているがこれで足りるのか足りないのかわからないので強くおすすめはしない。
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一次施工の動画(こちらはおそらく役に立ちません)
二次施工の動画