近年、「カープ女子」と呼ばれる現象が注目を集めています。広島東洋カープの女性ファンを指す言葉で、ソーシャルメディア上でも「カープ女子会」といったコミュニティが形成されています。しかし、この現象に疑問を呈する声もあります。本稿では、長年のカープファンである筆者の姉の視点を交えながら、この現象について考察していきます。
ちなみに2024年7月に上記コミュニティを覗いてみたらペナントレース始まっているのに最後の投稿が3月になっていてさすが「にわか」。。。
広島東洋カープとは
広島東洋カープは、広島市を本拠地とするプロ野球チームです。歴史的に弱小チームとして知られていましたが、地域に根ざした経営戦略により、地元では熱狂的なファンを獲得してきました。
かつての本拠地は「広島市民球場」という、まるでアマチュアチームのような名称でしたが、現在は「マツダスタジアム」と呼ばれる新しい球場に移転しています。これは地元企業であるマツダ自動車のネーミングライツ取得によるものです。
2014年5月15日時点で、カープはセ・リーグ首位に立っており、これが「カープ女子」ブームの一因となっている可能性があります。
長年のファンの視点
筆者の姉は、約40年にわたるカープファンです。1970年代後半から応援を始め、当時はプロ野球界が巨人一色だった時代に、遠く離れた広島のチームを応援し続けてきました。
彼女が最初に注目したのは、若手選手だった高橋慶彦選手でした。その後も掛布雅之選手など、将来有望な選手を見出す目を持っていました。これは単なる「にわかファン」ではなく、チームの潜在能力を見抜く目を持った真のファンの姿勢と言えるでしょう。
髙橋慶彦 – Wikipedia
掛布雅之 – Wikipedia
「にわかファン」への疑問
現在の「カープ女子」の多くは、カープが弱小チームだった時代を知らない世代かもしれません。チームが強くなってから応援を始めた人たちと、長年苦楽を共にしてきたファンとでは、優勝の喜びの質が異なるのではないでしょうか。
40年間で数度しか優勝していない、そして20年以上優勝から遠ざかっているチームを応援し続けてきた人々の感情は、簡単には共有できないものがあります。
真のファンシップの価値
無名時代から応援することの尊さは計り知れません。有名になってから、または強くなってから応援を始めるのは比較的容易です。しかし、真の喜びは、それまでの苦難の時期を乗り越えてきたからこそ味わえるものです。
人生の限られた時間の中で、何に時間を費やしてきたかが、その人の価値観を形作ります。長年の応援は、単なる趣味以上の意味を持つのです。
ファンの多様性を認める
とはいえ、「カープ女子」を全面的に否定するつもりはありません。新しいファンの増加は、広島市や広島カープにとっては歓迎すべきことでしょう。観客数の増加は、経済的にも文化的にもプラスの影響をもたらします。
ただし、チームの調子が悪くなった途端にファンが離れていくのは望ましくありません。真のファンは、チームが苦境にあるときこそ力になるものです。
結論:長期的な視点の重要性
ファンシップは、単なる一時的なブームではありません。長期的な視点を持ち、チームと共に成長していく姿勢が重要です。これは野球に限らず、あらゆる分野で言えることでしょう。
筆者自身は特定のチームのファンではありませんが、地道に頑張る人々のファンだと自認しています。このブログも、現在は無名かもしれませんが、将来大きく成長する可能性があります。その時、「私は最初からこのブログを応援していた」と胸を張って言えるようになるためには、今からの継続的な支援が必要なのです。
現代の「○○女子」ブームへの違和感
最近の「○○女子」というトレンドには、やや違和感を覚えます。例えば「粉もの男子」という言葉も流行っているようです。これはお好み焼きや饅頭など、粉を使った料理を作る男性を指す言葉です。
しかし、こういった安易なラベリングは、個人の多様性や深い興味を軽視している面があるのではないでしょうか。「粉もの男子」ならぬ「汁もの男子」など、さらに細分化されたカテゴリーを作ることで、このトレンドの矛盾を示唆することもできるかもしれません。
おわりに
ファンであることの本質は、単なるトレンドへの追随ではありません。長期的な視点を持ち、対象への深い理解と愛情を育むことが重要です。「カープ女子」現象を通じて、私たちは真のファンシップについて、そして現代社会におけるアイデンティティの形成について、深く考える機会を得ることができるのです。
これからも広島や他の地域に関する記事を書いていく予定です。読者の皆様には、このブログの成長を見守り、応援していただければ幸いです。真のファンシップは、対象が無名で小さい時から始まるのです。一緒に成長していける関係性を築いていけることを楽しみにしています。
この他にも広島に関する記事書いてます。
この記事は当初書いたものを後年リライトしたものです。