花粉の季節である。実際には花粉は1年中何かしら舞っているらしいが、この時期(2月~3月)は特にスギ花粉が飛散し、それに対する抗アレルギー反応から鼻水が出たり目が痒くなったりとする。
鼻水鼻づまりには飲み薬の他に鼻にシュッと噴霧したり、鼻の穴に詰め物をするとか手段がいろいろあるが、目には飲み薬の他には目薬をさすのが一番効果的と信じられており花粉症に悩む多くの人が携帯していることだろう。
そこで目薬をさそうとするが、なぜ目薬をさすときに鼻の下を伸ばしてしまうのだろうか。その鼻の下を伸ばした顔を真上から誰かに見られたらそれは恥ずかしい顔をしているに違いない。
人はなぜ目薬をさすとき不細工な顔をつくるのか考察してみたいと思う。
Photo:Tabasco Eyedrops By Tim N@ylor
なぜ目薬をさすときに変顔になるのか
目薬をさすために目玉をカッと見開きたいのだが、目玉をカッと見開こうとすると普通はおでこに皺ができる。前を向いているときにそれをやればおでこに皺ができつつも目玉をカッと見開くことができるが、上を向いている時にそれをやろうとすると後頭部の肉が寄りきれずにすごい抵抗を感じないだろうか。
実際これを読んでいる方は今やってみてほしい。上を向いておでこに皺を寄せて目をカッと見開く動作を。
後頭部が悲鳴を上げているような気がしなかっただろうか。筆者は感じた。
その後頭部の悲鳴を避けるために目玉をカッと見開くときにおでこ側、つまり上瞼を持ち上げるのではなく、下側(下瞼とでもいうのか)を下に引き下ろす動作を我々は無意識にやっているのだ。
しかし顔の筋肉を自在に動かせる人はそうそういない。したがって頭蓋骨の関節を駆使して下瞼を引き下げようとする。そのために鼻の下の部分を前に突き出すようにし、同時に口を中途半端に開けて敢えて「ものすごく不細工な顔」をつくらなければならないのだ。それはどんなに絶世の美女であろうと紅顔の美少年であろうと不細工になるはずだ。
嫌なことや不快なことがあったら鏡を見ながら目薬をさしてみてはどうだろう。目薬をさすために大まじめに不細工な顔をつくる自分を見て笑おうではないか。