数日前に飼っていた猫のうち一匹が突然死んでしまった。
特に体のどこかが悪いとか持病など持っていなかったしまだ10歳だったのでまさかの突然死という現象に家族みんな動揺した。
最初に帰宅した大学生の息子がいつものようにソファで寝ている”でれ助”を見つけて声をかけたり揺すったりしてみたが既に息絶えていたようだ。
それが夕方の6時近くで、息子から連絡を受けたうちぼくが一番家に近いところで働いているのですぐ帰宅して即近所の行きつけの獣医科に連れて行ったが既に手遅れだった。
果たして死ぬ直前にでも傍にいて気づいてやるか見つけていれば延命処置ができたのかどうか今となってはわからない。
猫の場合、犬と違って自宅の庭にそのまま埋葬してもいけないことはないそうなのだが、さすがにそれは現代的に衛生面で疑問があるし、家族同然だったのでゴミとして焼却処分するのはあまりにもかわいそうなのでペットの葬儀業者に焼いてもらうことにした。
猫が死んで焼却を葬儀屋に頼んだ
動物の葬儀でも24時間連絡受付
死んだことに失意の状態であるが、人間同様なんとかしなくてはならない。人間と違って死亡を役所に届けるとかしなくてよいだけまだ楽なはずだが大切な家族が死んだ辛さに変わりはない。
ペットの葬儀屋というのも24時間受け付けというのが多いようでネットで見つけたところに電話してみた。
ペット供養・ペット火葬:11,000円~|ペット葬儀110番
そこは紹介所になっていて葬儀の希望日時を伝えるとその日時に都合よく来てくれる業者を斡旋してくれるようだ。
21時ごろ電話したが30分以内に折り返し東京の青山に本社があるという業者が電話をくれた。
ペット葬儀の優心セレモニー トップページ|最愛のペットに優しい心のお見送りを。
さすがに葬儀という名のつく業界だけあって夜にもかかわらず電話の対応は迷惑そうな様子は感じられない。こちらの心情を察してというよりペットが死んでお金をかけて葬ろうという人は人間の肉親が死んだと同様に悲しんでいるというをよくわかっている感じの業者だった。
時間通りに来た
その業者はこちらの希望日時ぴったりに来てくれた。どこから来たのか訪ねたら千葉からだという。
朝9時の約束に時間ぴったりに来るとは当然ながら早めに着いて時間調整で多少待つぐらいのことはしてくれたのだろう。
なんとなく誠実さを感じた。
バンの屋根をくり抜いて焼却炉にしてある
焼却炉設備付き車輌というのかなんと呼ぶのかわからないがワンボックスバンの荷台に焼却炉が載っている。そしてそのバンの天井と屋根を40cm四方ぐらいくり抜いて煙突が出るようになっている。
煙突といってもヌッと飛び出しているわけではなく、少々数センチ程度出っ張っている程度のものだ。
炉の中は縦30cmx横50cmで奥行きが70cmぐらいと目測した。そこそこ大きなペットが入れられるだろうがフランダースの犬に出てくるセントバーナードぐらいデカイペットちゃんだとこの設備では無理っぽい。
おそらくそういうときはもっと大きい焼却設備の載ったクルマが出張るのではないか。
人間の葬儀屋同様に丁寧でありがたかった
葬儀屋さんはたいへん丁寧でほぼ満足できる葬儀ができたと思っている。
炉に入れる前後で多少”でれ助”を角にコツンしてしまった場面があったようだが(嫁は見ていた)概ね丁寧だった。
- 言葉使い
- 服装と所作
- 近所への気遣い
- 霊への尊崇
定額なので何をやっても一定のお金を取れるというのはあるはずだが、今回来てくださった方には是非次もリピートしたいという気持ちになった。
10kg弱のうちの猫で焼くのにおよそ1時間弱かかった。その間、葬儀屋さんは外で火加減を見ているのだ。
住宅街の中で行う焼却であるから強すぎて周りが熱くなってもまずいし、かといって弱すぎると焼くのに時間がかかってしまう。
火加減を調整しつつ、煙が出過ぎないようにとか微調整をずっとしているのだ。また人間用の火葬場と違って強力な火力で裏表というわけにはいかないので、途中で一旦停めて開いてひっくり返すこともあると言っていた。なかなか大変な仕事だ。
炎天下だと連れて行かれてしまうのではないかとさえ思う。
お骨上げも丁寧だった
やがて焼き終わり業者さんが玄関をピンポンして知らせてくれた。
トレーに入った”でれ助”の骨がキレイに部位ごとに並べてくれていた。その部位をいちいちこれがどこの骨ですと説明もしてくれた。
喉仏の骨を残して下の方から骨壷に入れていくのは人間と一緒。われわれ家族がすべて自分たちで骨壷に収めるのを辛抱強く待っていてくれた。
あとは骨壷を袋に入れて完了だ。
サイトではクレジットカードOKだが実際には手数料取る
1点難を挙げるとするなら支払方法だ。
サイトではクレジットカード可と書かれていたのにいざ支払のときにカードを渡すと手数料が別途かかりますと言われた。
手数料がかかるならちゃんとサイトに「載せとけよ」って後で見返したらやや小さめの字で「手数料がかかる場合がございます」とちゃんと書かれていた。見落としていたこちらのミスだ。
さらにクレジットカードで一旦は払おうとして預けたときに今回の業者の優心セレモニーの人は端末を持っていないから写真を本部に送りますといってクレジットの写真をスマホで撮っていた。
表だけ撮られたところで手数料の件で取りやめとなったが、ちゃんと削除してくれただろうか。そういう原始的なやりかたとはちょっと恐れ入った。
余談:特殊車両だろうけど8ナンバーにはしない理由推測
自動車のナンバープレートを見たら普通の4ナンバーだった。焼却設備が荷台一杯を専有しているので8ナンバーでもいけるのではと思ったが、おそらく安全性からみてグレーなのだろう。それで8ナンバー申請はせず4ナンバーなのだろう。
墓はどうしよう
骨を骨壷に入れて受け取ったがずっと持っているわけにも行かない。いずれ墓に入れるなりどこかへ散骨するなりしてあげたい。
庭に骨を埋めるとともに碑を置いておくと実体はないけど庭で草を食んでいたときの様子など思いだせる。
さすがにペットの仏壇までは置こうと思わない我が家ではあるが、世間の人によっては仏壇を置いて拝みたい、あるいはいつも傍にいてくれる気がするという人もいるだろう。
さてこうしてブログ記事にして心の整理をしているが、いまだに死んだことが信じられない出来事ではある。
あんなに元気だったのにどうして?という気持ちが一生解けないだろうなあ。
▼この写真は嫁とともに一番のお気に入り。撮る写真によって猫というのは実に表情が豊かに変わるものだ。草を食べるときは鬼のような形相だったかと思えば、クッションの中に座っているときは落ち着いて澄ましているし、ごろんと横になって遠くを見つめて考え事をしているようなときもあった。
こんなかわいい猫がいなくなるって実に悲しい。ネットの口コミで悪い葬儀屋に当たって最愛のペットが死んだ悲しみに輪をかけて傷ついたというのも見つけたが、我が家は良い葬儀屋に当たってひとまず幸いだった。