我が愛車ホンダステップワゴンも2016年の2月で10年経ってしまっておりまして、一応ちゃんと定期に点検をしてもらっております。8月に点検しました。
点検は無事完了し特に問題なく安心したのですが、点検している間、営業のお兄さんといろいろ話をしてなかなか有意義な時間を過ごせたというのと、めったに聴けない内部の事情のような話を聞けたのでちょっと内容を不都合のない範囲でリークしたいと思います。
ホンダのディーラーで交わした雑談で知った内部事情
ディーラーの営業は自社の新型車の最新情報を雑誌から得る
いきなり笑かしてもらったのですが、情報の漏洩についてものすごくメーカーが気をつけているのでディーラーにはなかなか新型車の詳細情報が降りてこないのだそうです。でもって営業マンは雑誌を見て自分たちの知らない情報を入手するのだとか。
メーカーはディーラーに情報を流すより先に雑誌社などのマスコミに情報を先に流しているに「違いないですよ」と言っていました。真偽は定かではありませんが・・・
ただまだ発売前の全く新規のクルマを発売前に予約する人も中にはいますよね。そういう場合でも予約したお客さんにさえ発売前の段階ではペラペラのチラシ1枚程度の情報しか出せるものがないそうです。マジか?
昔のホンダ車は尖っていて個性があったが今は横並びで価格だけの勝負になってる
新車を買う場合の決定権はほとんどの場合、奥さんなので「で、いくら負けてくれるの?」という話にすぐなるのだそうです。
奥さんも旦那さんもクルマの仕様についてはすでにネットやら取り寄せたカタログやらで十分熟知していて、どこにどういう機能があるとかもだいたい説明の必要がなく、あとは価格で優位に立てるかどうかだけの話になってしまうのだそうです。なかなか辛いものがあります。
ネットが発達したのがこういうところに影響として出ているようですね。ただそれはホンダが昔むかしのオデッセイを出した頃やプレリュードやらインテグラやらを出した頃のような尖った個性のあるクルマを作らなくなったからでもあります。
概ね誰にでも好感を持たれるクルマしか作らない売らないという姿勢になってしまっています。スバルレガシーのような強烈な個性があってレガシーじゃなきゃクルマは要らないぐらいのファンがいるといいんですけど。
企業ですから売らなければなりません。
ホンダは自動車会社じゃありません
その営業担当の人が入社して研修のとき言われたのが「ホンダは自動車メーカーじゃありません」ということだそうです。トヨタはトヨタ自動車、日産は日産自動車、ホンダは本田技研工業です。
だから自動車以外いろいろつくります。将来ディーラーで自動車じゃないものを売る時が来るかもしれません。
10万キロ走っても壊れない
うちのステップワゴンが10万キロを超えても走りに関してはまったく問題ないので次のクルマを買おうという気にならないんです。
その前に乗っていた某メーカーのクルマは10万キロ行く前かつ10年乗る前に手放しましたが、ステップワゴンはぜんぜん平気だし、ぜんぜん飽きません。今のクルマがダメになったらもう一度ステップワゴンに乗りたいぐらいです。
とにかく良く出来てます。営業にとっては10万キロ超えたらそろそろガタついて欲しいかなって思ってしまうのが本音のところだそうです。
廃車費用はサービスしときますという業者は儲けている
廃車するのにお金がかかると思っていたのはきっとぼくだけではなく、世の中に大勢いるでしょう。
昔のクルマはいざしらず最近10年ぐらいのクルマはリサイクルしやすいように作られていて、廃車するとお金がもらえるそうです。それなのに悪徳な中古車屋だったり産廃業者だったりの人は廃車費用は「サービスしますよ」とあたかも良心的なように言うことがありますが、実際には廃車したクルマから利益を得ているということです。
廃車するときはお金が戻るということを覚えておきましょう。そして10年10万キロ乗ったクルマはもはや下取りでは値段がつかないで廃車によるバックが数万円戻るくらいです。
個人的にはホンダ車のリピーターにはVIP席を用意したい
ぼくはホンダのクルマを持っていますが、次に買う車もホンダだったらリピーターということになります。リピーターはディーラーにとっても得難い存在なので通常のお客さんよりVIP待遇してもいいとさえ思っています、というようなことを言っていました。
まあほかの一見客よりちょっとは差別してもいいのではないかと思います。
あるお客さんの奥さんのほうが「ここには個室はないの?」と聞かれることがあったそうです。なんでもそのお客さんのファーストカーがレクサスで奥さんが乗るセカンドカーがホンダだったそうです。レクサスならお客さんを個室で接客するということはありそうですね。でもレクサスとホンダを一緒に見るのはその奥さん望み過ぎというものでしょう。
営業1人1人にiPadが支給されているが使い方まで細かくチェックされている
営業支援で支給されている端末がiPadなのですが、どこをタップしているか操作のログがちゃんと取られているのです。
それでお客さんにプレゼンするのにちゃんと活用しているかチェックされて、営業マンによっては十分使っていないと判断されたら取り上げられてしまうこともあります。キビシー。
給料の計算は営業が自分でする
営業マンは毎月売れたクルマの利益から給料を自分で計算しているのだそうです。すべてのディーラーかどうかはわかりませんが、面白いことをしているものです。ということは毎月給料が違うのでしょうか。すごい世界ではあります。
販売支援の端末(iPad)で自分のID,PWを入れると画面の背景が自分のIDでウォーターマークのようにでる
やってみせてくれましたが、端末でクルマの情報やらなにやらを見るときに背景でその営業マンのIDが何箇所にもお札の透かしのように表示されていました。
つまり彼がちょっと席を外した隙にこっそりぼくが画面の写真を撮ってブログに公開したりするとIDがわかって会社からなんらかの処分を受けるそうです。
端末ですべてできるのでお客さんを待たせない
希望する車種の色やらオプションやら端末で選べてその場で見積もりが見られます。支払いのシュミレーションも金利やら頭金やらを入れれば見られます。
ということで以前であればちょっと条件が変わるたびに営業マンが一旦席に戻って見積書を作りなおしてくるという行為がなくなります。
それはお客さんをほとんど待たせること無く次から次へと提案できるのでもうあとはクロージングするだけになって仕事がし易いと言っていました。
なるほど確かにこれならお客さんにしてみてもいちいち待たされることなく、頭金を○万にするか○○万にするか、3年払いにするか5年払いにするかなどポンポンと気軽に条件設定を変えてくれと頼みやすいですよね。
以前だったらちょっと条件を変えるのでもいちいち見積書を作りなおしてもらうのが悪くてあまり細かく検討しないで決めてしまったという人もいるのではないでしょうか。
クルマを売るのって結局タイミングの問題がほとんど
放っておいてもお客さんはどこかのメーカーのクルマをどこかのディーラーから買うのだから、タイミングが合うかどうかだけの違いなんです。当ディーラーの店長も言っていたそうで、同じこと言いますねと言われてしまいました。まあ確かに車検の直前にすっごい故障して20万かかりそうとかってなったら「買っちゃおうかな」ってなるかもしれませんが、車検の直後だと「なんとか20万作って治す」という選択肢を取ってしまいそうです。
あとはいずれかのお店でお客は買うのだからちょっとした違いを営業マンはアピールできるかどうかなんですね。
いろいろと面白い裏話を聞けて面白い時間でした。
この記事は一部するぷろで編集しました。