普通乗用車の車検期限は最初の登録直後では3年後だが、それ以後は2年ごとになる。
そして車検の季節。
今回はユーザー車検のやり方を詳細に記録することにした。
今後も車検を通すたびに読み返すことがあってもすぐ理解できるように詳細で平易な記録にしたい。
ユーザー車検の予約はこちらのサイトより行う。
検査予約システム-予約トップ
上記サイトを初めて利用するときはアカウントの登録が必要で、長期間利用していなかったときでも再登録が必要ということがある。
ではいってみよう。
事前に用意するもの
- 車検証
- 整備記録
- 直近の自動車税納税証明書
- 自賠責保険(正式名称は”自動車損害賠償責任保険”)加入証明書
- ハンコ
- 用箋挟(クリップボード)があるといかにもユーザー車検やりに来た素人という雰囲気を多少避けることができる(かもしれない)
1.車検証
車検証はもともとクルマの購入時についているものであるから説明は省略する。
2.整備記録
余談であるが、この整備記録がちょっと曲者で、検査官によって違いがあることが経験から判明している。
ある検査官によって整備記録を見せるよう要求し、別の機会では整備記録の提示を求められなかった。
あるとき整備記録を求められて最新の記録を提示できないときがあった。そのときのやりとりは
「このあと整備しますか?」
「はい、します」
「じゃあ、そうしてください」
こんな程度のやりとりで済んだのだが、数週間後に運輸局からハガキが届いて
「あなたは整備しないまま車検を通過しました。その後整備を済ませたかどうか回答を返信ください」
という内容だった記憶。
整備記録は整備工場またはディーラーなどで整備してもらえば当然発行してくれるが、自分で整備して自分で記録してもよい。
このとき自分では当然、整備できるところとできないところがある。そんな場合、ヤッタコトニスルという選択もできなくはない。
ただし当然こういう選択をする場合は自己責任を強く認識しなければならない。
普通乗用車の車検は2年ごとだが、数回に1回程度はちゃんとした整備工場かディーラーにて整備をしてもらうことが最低限望ましいことと感じているので現在はそうしている。
自分の場合は車検のない年にもディーラーに整備を頼んでいる。そうすれば車検も「やっちゃいましょう」と売り込まれる憂いがないので。
3.直近の自動車税納税証
自動車税は毎年4月ごろに通知がとどき約1カ月の猶予期間内に支払う義務がある。
ときどき支払いを拒否している人もいると聞いたことがあるが、ここでは毎回滞りなく支払っていることを前提の話となる。
支払いは毎年あり、2年に1度の車検では直近の納税証明書だけ必要となれば、
「じゃ、あいだの1回分はバックレられないの?」と疑問に思ったことはないだろうか。
私はある。
しかし試してみる勇気はない。自動車が生活必需品だから。
整備が不十分で燃費が落ちたり、音がうるさくなってきたりというのは微妙なアナログの世界だが、税金を1回分滞納していて直近の納税証明書だけで通るかというのは1か0かのデジタルの世界だ。おそらくアウトになるとおもう。いや間違いなくすぐバレるだろう。
なので毎年自動車税はきっちり払っておくべし。
4.自賠責保険加入証明書
事前に保険会社の窓口で支払って手続きを済ませることもできるし、検査当日に構内あるいは近くに保険支払い窓口があるはずなので検査直前に手続きをすることもできる。
この保険加入で一度失敗した経験がある。
軽自動車の継続検査のときのことであるが、保険などに関しては基本的にはまったく同じだ。
そのときは事前に日中時間があったので車検場で払わずに駅近の某保険代理店に払いに行った。
2年車検の場合24カ月か25カ月か選べるが、そのときお互い、つまり私はもちろん保険屋の若い担当もよく知らなかったようで24カ月の契約をした。
しかし車検の有効期間が例えば2月1日~翌々年1月31日だとして、保険の開始日が1月31日からになっていると、24カ月有効であれば翌々年の1月30までの期間ということになる。
つまり、保険の開始日と車検有効の開始日がずれていると車検満了日まで保険がカバーしていないということが起きる。これを役所は許さない。
検査場の窓口の役人から指摘されたときは検査終了時刻間際。
さて、その後の顛末を知りたい方は問い合わせください。
なので検査場で保険手続きをするときは窓口担当は慣れているからそういう失敗をおそらくしないはずであるが、町の保険会社で手続きをするときは注意をすること。
5.ハンコ
役所がらみの手続きをするときは必携アイテム。
6.クリップボード
いろいろな書類を検査場のラインで検査官に見せる。さらに検査項目ごとに済み印を押してもらうわけだが、裸で用紙を渡すと検査官も片膝を上げて自分の太腿を下敷きにして押印する。これはお互いにスマートとはいえない。決して不快な顔をされるわけではないが毎回申し訳ないと思っていたことだ。
場馴れした業者は皆クリップボードに用紙を挟んで検査に臨んでいる。
よってぜひ、これを励行してスマートに検査をパスしたい。
以上すべて自分の経験上のお話。
申請書類~自賠責更新~受付
ここから先は熊谷の陸運局での話なので他では多少の違いはあると思うが概ね同じだと思う。
最初に自賠責保険を扱っている建物で申請書類を買う。
一緒にすべて支払いをここで済ませられるのでお金に関しては判りやすい。
- 申請用紙:20円
- 検査登録印紙代:400円
- 審査証紙代:1300円
- 重量税印紙代:24600円(これはステップワゴンRG1 1500kg以下の場合で車種によって違う)
ここでは収入印紙や収入証紙など窓口の人が貼ってくれるので何をどこに貼るかなど迷う心配はない。
自賠責保険の窓口へいき保険料を納付し証書を発行してもらい書類準備は完了。
車検証を発行してくれる特殊法人の正確な名前がわからないので総合窓口と呼ばせてもらう。別棟にある総合窓口の窓口へ行き書類のチェックをしてもらう。
チェックは特に書類に不備がなければ数秒で終わるし、不備があれば総合窓口とは別棟の自賠責支払い窓口あるいは申請書類購入窓口で指摘してくれるので大丈夫。
[追記その1]
自動車検査票などの何枚かの用紙に書き込むときは筆記机に鉛筆が設置してあってもボールペンで書くようにしよう。下の写真の赤丸数カ所は窓口のおじさんに指摘されてボールペンで書き直した。
[追記その1ここまで]
チェックが済んだらこう聞かれる。
「コースには入ったことありますか?」
入ったことがなければ
「いいえ見学させてもらいます」といって下見をするとよい。
下見が出来るようにちゃんと通路があり、じっくり検査の様子を見ることができる。おそらくどこの検査場でも同じではないかと思う。
検査ライン
検査場の規模によってレーンの数に違いがあるかもしれないが、検査ラインへ入るためのレーンがある。
検査場によっては4輪駆動車用とかトラック用とかあるかもしれないので事前に何番レーンに並べばよいか聞いておくと良い。
1台分の進むスピードは平均約5分程度。なので10台並んでいたら「終わるまで1時間弱待つのか」という予想が立てられる。
外観チェックの前にタイヤのホイールキャップは外しておくこと。
アルミホイールの場合は関係ないが、ホイールキャップが嵌っているタイヤは鉄ホイールをむき出しにしておくこと。
外観チェック
建屋の検査レーンに入る手前で検査官にまず外観チェックをされる。
これは灯火類、ホーン、ワイパー、メーター類のランプ、車内の違法改造、シートベルトの状態、ボンネットを開けて製造番号などを確認される。
ここは簡単なところだが、検査官によっては「ウォッシャー液」を確認したり、「車内の異常をざっと見」たりという確認もする人がいるのでちゃんと液も補充しておき、車内に危ないものを置いておいたりしないこと。
[追記その2]
改造車かどうかわからないがイカツイ系の車のときはマフラーからでる音もチェックするようだ。マイクスタンドをマフラーの後ろに設置して検査官がアクセルをブンブン吹かせていた。マイクスタンドには騒音計がついていたようだ。何dbだとNGかは知らないが改造している人は要注意だ。
[追記その2ここまで]
タイヤのスリップとブレーキ、スピードメーター、ハイビーム確認
外観チェックが終わったらいよいよ建屋の検査ラインに入る。
まずは埋め込まれている機械の上を通ってタイヤが横滑りするかとか軽く調べられて、停止位置にあるローラーの上で止まる指示が表示される。ローラーの上でちゃんと停止させること。
止まったら「ブレーキを踏んでください」という表示が出るのでブレーキを思いっきり踏む。このときタイヤが乗っているローラーが多分前後に回っているのだと思う。
同様にパーキングブレーキもローラーで検査される。
次にスピードメーターの検査。
「時速40km/hでパッシングせよ」という表示がでるので自分でアクセルを踏み込み40km/h出す。このとき走っているときと違ってなかなか一定のスピードで安定させるのが難しいが落ち着いてやれば大丈夫。検査機も辛抱強く待っていてくれる。時速40km/hで安定したらおもむろにパッシングすれば難なく合格するはず。
余談であるが、このスピードメーターの検査は{熊谷の)軽自動車の検査ではちょっと違う。軽では自分ではアクセルを回さないでニュートラル状態にしておき、ローラーが回ってくれる。メーターを見てパッシングするところは同じだが、自分でアクセルを踏むか、機械に任せるかの違いがある。
次はハイビームの検査。
ライトをハイビームにしてしばし待つ。
そうすると機械がクルマの前に現れてハイビームの光軸を捕らえようと上下左右にうようよと動く。
この機械はさっき時速40km/hでパッシングするときも実は車の前に現れていたのだ。さっきは夢中でスピードメーターばかり見ていて気づかなかったが、再びの対面というわけだ。
確認が済んだら次に進むよう表示が現れる。NG項目があればそのつど電光掲示板に表示されている。
排気ガスの異常有無確認
停止線までクルマを進めて停止し、マフラー口に、備え付けのプローブを差し込みしばし待つ。
30秒程度で検査が終了し、検査用紙を機械に入れるよう指示が表示されるのでそのとおりすると用紙の端に合否の印が印刷されて出てくる。
下回りの目視確認
次の停止位置まで進めたらエンジンを停止させる。
地下室があるらしく下にいる検査官が、下回りを打音確認する。こんこんと棒で打って緩みがあれば音の違いでわかるようだ。ちなみに熊谷では登録車はこのような地下室から見られて、軽自動車はリフトに車を乗せて運転手を乗せたまま持ち上げられて検査される。
▼後ろから見るとこんな感じの状態で下から検査官が打音確認とかドライブシャフトブーツの劣化とか見る。
とくに変なことをしていなく、事故にもあっていなければまず、緩んでいることはないと思う。ただ年数が経っているとゴム系は劣化が進んで指摘される恐れはある。ちゃんとプロ(ディーラーとか整備工場など)に点検しておいてもらおう。
1~2分程度で検査が終わり、建屋から車をだす。
検査終了印を押してもらう
建屋からクルマを出したら、一旦クルマから出て、建屋出口にいる検査官に書類一式を預け、検査完了の印をもらう。
ここで、検査官によっては書類一式の中に整備記録があるかどうか確認するかたがいるようで、そのときによって要求されたりされなかったりとあった。できればちゃんと用意しておくに越したことはない。
新車検証と有効期限シールの交付を受ける
印をもらったらまた総合窓口へ行き書類一式を預けると数分も待たずに新しい車検証と有効期限シールをもらえる。
これで終了。
お疲れ様でした。
終わってみればなんとあっけないことかと思われるはず。
こんな程度のことにガソリンスタンドやディーラーや修理工場へ「何万円も払っていたのか」と思われるかもしれない。
しかし、確かに車検手続きそのものは面倒ながらも簡単に終わるが、整備は手を抜くべきではない。
この記事は決して整備をしないで車検だけ通してしまえということを奨励するものではない。
整備は自分でやりきれないところがあるので専門家に任せるとしても、車検そのものは自分で簡単にできるし、面白い経験ができると思っているのでそういう意味で勧めても良いと思って今回詳細な手順を書いたのだ。
誤解のなきようお願いします。
追伸
指摘事項をまとめた記事をポストしましたのでこちらもご参考ください。
追追伸
このページの内容をPDFにしてみましたのでよかったらご利用ください。