ふらっと早朝起きて一人で三峯神社まで行きます。
あるときはただ雲海だけを見に。
そしてこの日もなんとなく徒然なるままに三峯神社の拝殿に参拝したのですが参拝し終えたのが午前10時。このまま帰るのもなんかやり残したことがあるような気がしていましたがふと思い出したのが「まだ奥宮に行ったことがない」ということです。
幸い一人でしたから途中で辞めようが進もうが自分のなすがまま。行ってみることにしました。たかだか2.5km程度ですから片道30分もあるけば行けてしまうじゃないですか・・・と最初は高をくくっていました。
しかしそんな甘いものではありませんでしたよ。ちょっとした地獄です。
三峯神社の奥宮
三峯神社奥宮の位置
三峯神社奥宮までの行程
▼奥宮までの歩き始めは最初はこんな半ば舗装路みたいな道です。余裕じゃね?なんて思いながらテクテクと一人で気軽に歩きます。なんなら自転車だって持ってきてるからいっちゃおかー?なんて。
▼やがて少し(数百メートル〜1km)ぐらい行ったところでしょうか。鳥居とともに登山道入り口みたいな標識があったり熊出没注意とか書かれていたりでやや緊張が走ります。
道も妙に山道っぽくなってきてるんです。
▼進むにつれ道幅はすっかり1メートルもない険しさになっているし、片側は絶壁みたいだし大きめの石が地面から突き出ているしで結構歩きにくいです。
▼でもまだ景色の写真撮る余裕はあったりします。周りに誰もいなかったので結構不安ではありましたがたかだか2.5kmぐらいですから道さえ間違えなければどうとでもなるかなと。
▼それにしても険しい道です。マジでこういう感じの山道で雪に覆われたところを山岳登山隊が登るところ映画で見たことありますが(例えばK2)そんな感じで両サイドが絶壁ですよ。なにこれ?こんなところ普段着で通っていいの?いわゆる尾根ってやつです。ドレスコードあるだろ?
▼マジでここ道なの?って突っ込みたくなるギリギリの感じです。写真だとほぼ道に見えませんね。肉眼だとかろうじて道っぽくなっているのがわかりなんとか進めます。
▼としばらく、かなりしばらく歩くと鳥居が見えてきました。「おお、もうすぐか?」と期待しますがまったく違います。ぜんぜんもうすぐではありません。この鳥居に向かって直角に曲がる風景のところを通ったところではまだ奥宮までの道程の1/3いや1/4程度とお覚悟ください。
▼初めてでしたからこうやって正面から写真撮る気力がありましたが後になって思うとまったく序の口のじょですら来ていません。
▼その鳥居から数百メートルほど歩くと道がなくなってくる地点が一瞬あります。こんな矢印の看板あってって矢印どおりに進んだら全然違う方に行きそうでマジ不安です。とにかく上に向かって行くだけなんですが・・・地面が皆同じように見えてしまうんです。
もしかして狐か狸にバカされていたのでしょうか?
ここは最初で最後の迷いポイントですので可能であれば1人で通らないほうが良いかと思います。マジでここで方向間違えるとヤバいです。
実は上記、迷いポイントで諦めて引き返そうとしたら下から登ってきた人がいたので声をかけて奥宮へ行くならついて行かせてくださいと後について歩くことにしました。
▼この方は3度めだそうで初めてで1人だと挫折するかもしれませんね。などと言っていました。
そんなこんなで話をしながらどんどん登っていくと冬ならこんなふうに道に雪が残っている場所もあります。すぐ左は奈落です。滑り落ちたら神の世界だか仏の世界だかに直行です。なんなら奥宮まで歩くより早いかも。
慣れない雪道なので文字通り這いつくばるように進みますよ。
振り返って写真を写す余裕があります。っていうか滑りさえしなければ大丈夫という自信がありましたので。
足元写しますがマジで奈落です。
それでも真横の景色はだんだん素晴らしいものになっていくのも事実です。
▼また何個目かの鳥居です。ほんとに何個目だかわからないけどもう奥宮に着くだろ?って思いますがまだまだです。パねえ遠さです。よく作ったねと呆れます。
▼お兄さんは若いし3度めですからスタコラサッサと先へ進んでしまいます。
▼またしても鳥居があります。でもまだまだです。ww
▼こういうヤバい道も乾いていればなんとか通れます。そうそう、靴は運動靴でもそこそこ登山に適した靴じゃないとぜったい無理ですよ。ヒールの高いやつとかクロックスとかダメ絶対。
▼下っているように見えますがまだ行きです。実は奥宮って山を3つぐらい超えていくんだそうです。
▼というわけで最後はロッククライミングみたいな上り方して奥宮に上がります。この絵面見たことあるなあと思ったらあの法性寺の大日如来像への道がこんなんでしたよ。秩父にはこういうのが多いなあ。
▼さて登りきりました。頂上です。妙法ヶ岳のほぼ頂上(Google Mapで見ると頂上の位置とは微妙にずれている)なんですね。
まさしくパワースポットです。本当はここに三峯神社を作りたかったけどみんながお参りしやすいようにもっと下にも作ったんでしょう。
▼頂上から見る景色はまた格別です。といいたいところですがすべての山を見下ろしているわけではないのでそんなにものすごい感動はありませんです。ただ思えば遠くへ来たもんだという実感はあります。
▼お兄さんから教えてもらいました。一部の角度を見ると三峯神社本宮がおおよそ見えます。あんなところから来たの?と呆れもし驚きもし、またあそこまで戻るのかと辟易し複雑な心境になります。
こういうところでホットコーヒーでも飲んだら美味しいでしょうね。
せっかくなのでセルフィーしてみました。寺と坊主ならぬ神社と坊主 。微妙なマッチングです。
奥宮の御朱印
奥宮に行った人しかもらえない奥宮の御朱印を本宮の授与所でもらってきました。奥宮に行ったと言うと証拠を要求されますのでちゃんと行ってからもらいましょうね。
三峯神社奥宮を知らずして三峯神社を語るなかれ
ということで何度か三峯神社には参拝しているつもりでしたが、まったく三峯神社のことを知らなかったと痛感し穴があったら入りたいほど恥ずかしい気持ちになりました。
この奥宮まで行かないと三峯神社に行ったことにはならないとは言いませんが、少なくとも三峯神社を語る資格はありませんね。
どんなに三峯神社がパワースポットと力説しようとこの奥宮を知らなければパワーは半減ですよ。
戸隠神社が大人の神社で三峯神社は子供の神社などと通ぶったマニアの間では言われることもあるようですが、戸隠神社の九頭龍神社より行きにくいぞ。
2.5kmって書いてあったってそれはおそらく測量上の単純な距離の話で、歩いていったら片道45分近くかかります。戸隠神社はそこまで険しくなかったですよ。
今まで金刀比羅宮の奥宮が一番きついと思っていましたがぼくの中での到達難易度暫定トップは今回の三峯神社奥宮になりました。ちなみにもっと難易度の高いであろう富士山頂の浅間神社とかは一生行かない気がしますのであしからず省略です。ああいうのは遠くから眺めるから美しいのです。