カメラ愛好家にとって、L型ブラケットは便利なアクセサリーの一つだ。しかし、Canon EOS R8に標準的なL型ブラケットを取り付けると、いくつかの問題が生じる。本稿では、これらの問題とその解決策、そしてL型ブラケット改造の詳細について解説する。
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L型ブラケット使用時の3つの弊害
Canon EOS R8に専用設計ではないL型ブラケットを取り付けると、以下の3つの弊害が発生する:
- バリアングル液晶との干渉
- 左側充電ポートへのアクセス不能
- バッテリーとメモリーカードの蓋が開けられない
これらの問題は、カメラの操作性を著しく低下させる要因となる。
弊害への対処方法
バッテリーとメモリーカードの蓋の問題
バッテリーとメモリーカードの蓋を開けられない問題については、その都度ブラケットをずらすことで対応可能だ。これは一時的な解決策ではあるが、頻繁にバッテリーやメモリーカードを交換する必要がない場合は許容できる妥協点となる。
残り2点の弊害に対する改造による解決
バリアングル液晶との干渉と充電ポートへのアクセス不能という2つの問題については、L型ブラケットの改造によって解決した。以下に、その改造の詳細を説明する。
L型ブラケット改造の詳細
金具の改造(不可逆的)
L型ブラケットの改造の核心は、L型に接続している金具の2つのボルト穴の一方を改造することだ。具体的には、ボルトが横方向に素通りできるように、片方のボルト穴の壁を切り落とした。
この改造により、以下の効果が得られる:
- ネジが2か所にはまった状態でも、縦側の金具を倒すことが可能になる。
- バリアングル液晶との干渉を回避できる。
- 充電ポートへのアクセスが可能になる。
ボルトの変更
さらに、改造の効果を高めるため、2か所のボルトを変更した。元々のキャップスクリューを、取っ手付きノブボルトに置き換えたのだ。この変更により、以下の利点が生まれた:
- 手で簡単に締めたり緩めたりできるようになった。
- ブラケットの固定と緩めが迅速に行えるようになった。
これらの改造の結果、L型ブラケットをCanon EOS R8に取り付けることが可能になり、かつ使用時の弊害を大幅に軽減することができた。
L型ブラケット使用の目的
そもそも、L型ブラケットをカメラに取り付けようと考えた理由は、アルカスイスタイプのカメラ三脚との互換性を高めるためだ。L型ブラケットを使用することで、カメラを縦位置にも横位置にも素早く切り替えて三脚に取り付けることが可能になる。
この目的を達成するためには、L型ブラケットを常時カメラに装着しておくことが理想的だ。しかし、前述の3つの弊害があったため、これまでは使用時以外はブラケットを外す必要があった。
改造後の利点
今回の改造により、以下の利点が得られた:
- バリアングル液晶の使用が可能になった。
- 充電ポートへのアクセスが容易になった。
これらの改善により、L型ブラケットを常時装着したままカメラを運用することが可能になった。これは、撮影の機動性を大幅に向上させる効果がある。
もう一点残っていた弊害であるバッテリー収納ボックスフタの開閉問題については仕方ないのでその都度カメラネジを緩めてブラケットをずらすということをしよう。そんなに頻度は多くないと思うので。
改造の意義と今後の展望
この改造は、市販のL型ブラケットの欠点を克服し、Canon EOS R8との相性を大幅に改善するものだ。カメラ愛好家やプロフェッショナルの photographer にとって、このような改造は機材の使い勝手を向上させる重要な取り組みとなる。
しかし、すべての改造がlong-termで有用であるとは限らない。カメラの使用頻度や撮影スタイルの変化によっては、L型ブラケットの必要性自体が低下する可能性もある。その場合は、改造したL型ブラケットをメルカリなどのオンラインマーケットプレイスで売却することも検討できるだろう。
DIY改造の魅力と注意点
カメラ機材のDIY改造は、個々のニーズに合わせてカスタマイズできる魅力がある。しかし、以下の点に注意が必要だ:
- 保証の喪失:多くの場合、改造によってメーカー保証が無効になる。
- 技術的スキル:適切な工具と技術が必要で、不適切な改造は機材を損傷する可能性がある。
- 互換性の問題:将来的なアップグレードや他の機材との互換性に影響を与える可能性がある。
これらのリスクを考慮しつつ、改造によって得られるメリットを慎重に判断することが重要だ。
まとめ
Canon EOS R8用L型ブラケットの改造は、カメラの操作性と機動性を大幅に向上させる効果的な方法だ。バリアングル液晶との干渉や充電ポートへのアクセス不能といった問題を解決し、常時装着が可能になったことで、撮影時の利便性が格段に向上した。
この改造例は、市販の製品を自分のニーズに合わせてカスタマイズすることの価値を示している。カメラ愛好家やプロフェッショナルのphotographer にとって、このような創意工夫は撮影体験を豊かにし、より効率的な機材運用を可能にする。
ただし、改造には常にリスクが伴うことを忘れてはならない。保証の問題や技術的な課題、将来的な互換性などを十分に考慮した上で行うべきだ。また、改造後も使用状況や需要の変化に応じて、定期的に機材の有用性を再評価することが大切だ。
最後に、このような改造はカメラ機材への理解を深め、撮影技術の向上にも寄与する可能性がある。機材の特性や限界を知ることで、より創造的な撮影アプローチを見出すきっかけになるかもしれない。カメラ愛好家の皆さんには、常に好奇心を持って機材と向き合い、自分なりの工夫や改善を楽しんでいただきたい。