父親が2022年の11月に亡くなった。タバコを60歳ぐらいまでヘヴィに吸っていてそれでも90歳まで生きたので十分大往生といえるだろう。
悲しいといえば悲しいがだんだん弱っては来ていたので覚悟はしていた。
銀行預金やら年金引き継ぎ(?)やら手続きを済ませ、一番やっかいと思われる不動産の登記移転を済ませた。というか提出までは済ませたが現在手続完了通知まちである。
ここでボケェっと過ごしていると次回母親が逝ったときまごつくので記憶が鮮明な今のうちにやりかたを一通り残しておく。自分用のメモなので一部正解ではないものがあるかもしれないが多少誰かの役には立つかもしれない。
我が一族の前提条件
- 父親は浮気も再婚もしておらず、したがって養子も婚外子も内縁の妻もいなかった
- こども(ワシの姉弟)は3人で全員埼玉県内在住
- 父親は埼玉県吹上町(現在の鴻巣市)で出生し、その後熊谷市に永住した
- 母親(故人の配偶者)は健在
- 土地・家屋の相続は母親がすべてするということで子ども3人は同意した
- 母親が土地・家屋をすべて相続するにあたりその他相続権者である3人のこどもは特に代価を要求しない
- 土地に関してはなぜか父母で折半して名義人になっていた
という至ってノーマルなつまらない一族であることを断っておく。ノーマルすぎて参考になるのやらならないのやらwww
必要書類(必ずしも提出しないもの含む)
登記申請書(表紙として必要)
赤丸で2/2と書かれている理由は1/2があるからなんだけど一番最後のほうで述べる。
書き込む要領は以下
- 故人の名前 持ち分全部移転
- 原因:死亡日
- 被相続人:故人
- 相続人:母親の住民票の住所と氏名
- 持分後記の通りと空欄に書く(よう指示された)
- 申請日
- 課税価格には固定資産評価証明書に記載されている土地(市道などの共用部含む)・家屋ずべての評価額の合計を書く
- 登録免許税額には上記x0.004 百円未満切捨で書く(2023年時点)
- 連絡先の電話番号はかならずしも相続人でなくとも耳と頭のはっきりしている関係者の続柄と名前を書けばよい
うちの場合、相続人は母であるが耳がかなり聞こえないのでワシが予備の連絡先となった
相続人の住民票(必要)
勘違いして全員が取り寄せてしまったが相続放棄する人は不要だった。
故人の不動産がどこの誰のものになるかという情報が必要なためだと推測する。
故人の住民票【除票】(必要)
死亡による相続であることの根拠となる。
これは市役所に行ってもらうがその前に死亡届を提出済みであることが条件になる。おそらく死亡届を出して同時に貰えると思う。←死亡届提出してから役所内での手続きに1週間〜数週間かかるらしいので同時には取れない。
固定資産評価証明書(提出は不要)
申請書に書く免許額算出の根拠になる。
法務局でもらうが要求者の身分証明書と関係の証明書、うちでいえば戸籍謄本で親子関係がわかるのでそれを提示して取得した記憶。
故人名義の土地家屋の全部事項証明書(必要)
上記は一部(3枚のうちの2枚)
相続する土地家屋の洗い出しに必要となり、前述の固定資産評価証明書と同時にもらう。もちろん提示書類として身分証明書と関係を証明する書類または委任状が要る。
国庫返納という選択肢も世の中にはあるかもしれないが、それはそれで別の申請書を書いてだすのだろうから、法務局としては一切合切相続してくれたほうが手間が少なくて済むので故人の土地と建物をすべて申請してもらったかどうか確認するのに必要な書類となる。
故人の戸籍謄本全部事項証明書(必要)
相続関係説明図の根拠となる。住んでいた自治体全部渡り歩いて取得してまわる必要あり。
引越しが多い人は大変だと思う
これがうちの父親の場合6枚だか7枚だかぐらいあった。
相続関係説明図(必要)
故人との関係の図解説明でフォーマットは法務局でもらうかまたはサイトまたはググればどこかからダウンロードできると思う。
要するに家系図みたいなもの。うちは単純だからぜんぜん迷わなかった。
遺産分割協議書(説明)
誰が相続するか取り決めた決定書。同じくフォーマットは法務局またはサイトからもらえる。
うちは一軒家と共用道路だけだったから単純に母親が相続したけど、複数の土地建物持っている家はドロドロの争いになるんだろうなって容易に想像できる。
不動産の表示(必要)
土地家屋全部事項証明書に基づく目録になるもの。フォーマットは法務局またはサイトからもらえる。
なんなら次回のためにEXCELやらGoogleSpreadsheetで作っておいてもいいかもな書類。
一人が単独ですべて相続するなら不要じゃないかと思うけど、おそらく法務局の役人の手間が増えるからだろうし、複数の人間がそれぞれの土地・家屋を相続するとかっていうときに整理するために必要なんだろうな。
なぜか不動産の表示用紙の右側が大きく空いていてここの印紙を貼るよう指示された。申請書のヘッダー部分が点線枠になっていたからそこに貼るのだと思っていたが危なかった。
相続権利者全員の印鑑証明書(必要)
相続権者たち本人が同意しているという証左に必要なんだろう。
土地建物の権利書って法務局から要求されてない
だいたい持家だと金庫に権利書っていうのがしまってあるものだと思うんだけどいつ必要になるか今のところ不明。
あれってペラッペラの薄い紙にいろいろ書かれているけど書き換えるのにナントカ書士みたいな人が必要になるのだろうか。
それとも今回の申請が受理されたらその移転手続き完了みたいな書類を別紙みたいに一緒にしておけば良いのだろうか?
今のところ不明。
簡単なもの
相続手続きのなかで比較的かんたんにできることを書いておくので気休めにしてほしい。
相続人の住民票と戸籍謄本
まじ簡単。
相続者のみ必要。市役所で(またはマイナンバーカードがあればコンビニでも)取得できる。勘違いして今回全員が取得してしまったが相続しない人は不要。
相続権利者全員の戸籍謄本が必要。もらうのはかんたん。ただし戸籍謄本でも「全部事項証明書」っていうふうにもらうこと。
相続権利者全員の印鑑証明書
同じくかんたん。マイナンバーカードがあればコンビニでも取れる。マイナンバーカード万歳。
全員実印押す
実印押すのは
- 登記申請書
- 遺産分割協議書 捨印も押すこと(押さないで出してしまったので不備指摘されるかも)
躓いた点・気づいた点
法務局で無料相談できる
ただし1回30分間で事前予約が必要。
自治体によるかもしれんが熊谷市は2023年時点では電話による予約のみでクソ。まあタダだから我慢するけど。
相続人たちの書類は相談直前に取るのがベター
申請提出日から遡って3ヶ月以内の取得のものでないと有効期限切れで紙切れになるから。
不動産相続ってここまで記録書いてみて「そんなに難しくないじゃん」って思ったけど最初はなにがなんだかさっぱりで途方に暮れていた。
しかも手書きの書類なんてもう何年も書いていない生活習慣だからっていう言い訳するけど細かな説明もまともに読まずにホイホイ法務局にアポ取って行ってチェックしてもらって突き返されるんだ。何度も。
そうしているうちに月日が経って印鑑証明書の取得日から3ヶ月たっちまうんだ。
だからいざ法務局に1週間先とか2週間先とかアポイント取ってから印鑑証明書と謄本取ったほうが無難だと思う。
っていうか簡単な印鑑証明書とか住民票の取得とかやっちゃってからノロノロしていたのが悪いんだけど。
故人があちこち引っ越してると面倒
それぞれの自治体に行って戸籍謄本もらう必要あるから。
うちの父親の場合、鴻巣市と熊谷市の2箇所だけで済んだし近かったからまだいいけど、海を渡って住んでたりするとそりゃ想像を絶する面倒くささだと思うよ。
住所の不一致あるある
借家から持ち家一軒家に引っ越す際に、購入者の名義に登記するわけだけど、家の登記は家ができあがってからするからその時点で住民票をその新居に移していれば問題ないとしても、土地の登記移転を土地しかない時点でやったとすると旧住所の名前で新居の土地を登記することになる場合がある。
うちがまさにそれだった。
たぶん上記の文章では意味不明なままだろうから貼っておく。
▼母親の住民票の住所は父親とおなじく当然現在の住所になっている。
▼土地(住居・共有地)の母親名義部分では引越す前の住所になっていた。引っ越す前に登記してたものと思われる。
▼そこで父親の名義から相続するのとは別に母親の住所表記を一致させる必要があるのでその申請書もつくった。
相続ではなく住所変更の申請代金は3000円だった。これは1箇所につき1000円x3箇所のため。
▼住所変更するのは住居部分と共用地(私道)の2筆で合計3筆である。
ということで相続人である母親の住所が不動産全部事項証明書(名義人表示)に旧住所で登録されていた。
つまり土地の登記記録の所有者住所と現在の住所が違っているので移転登記手続きできない。
したがって住所変更の申請を同時にしなければならなかった。
そして審査官の爺に上記4枚をホチキスで2箇所綴じて赤く1/2と書いて一緒に提出するように言われた。ちなみに相続による登記移転の申請書のほうには2/2と赤く書くようにも言われた。
住所の表記いろいろある注意
- 住民票の住所
- 本籍
- 土地と建物で表記が違う
ということで日本の住所表記ややこしい。
その他
熊谷法務局の審査官はおおむね横柄な印象だった。なぜだろう?
数回通って今のところ2人の審査官と面談しただけだけど超横柄とやや横柄の印象だ。その他の人がどれくらいなのか不明なのでサンプル2人だけで法務局の人間は全員横柄と決めつけるのは早計だろうけど、それにしてもヒット率高くない?
ハンコが必要な役所ってまだ昭和の雰囲気が濃いのだろうか?ハンコがほぼ不要になってきた市役所はどこ行ってもだいたい気持ち悪いくらい親切なのと対象的すぎる。
いずれ法務局の仕事なんてAIに取って代わられる運命だろうけどまだまだ先の話と思って審査官はあぐらをかいているのだろうか。かなり爺だったから再雇用かもしれんし怖いものないのかも。
面倒なら司法書士?
不動産登記には司法書士という資格が必要という情報がネットでみつかるが、今回のような登記移転はどうか?
なんとか書士に頼むと一声30万ぐらいと聞いたこともあるがそんなに出すくらいなら我が一族程度の不動産なら数回有給休暇と取ってでも自分でやるわ。
とりあえず申請書を窓口に出して申請までは素人でも済ませることができた。
今後申請が通ってなにか次のことをやるのかによって司法書士の力が必要になるのかもしれないがいまのところ不明。
まあ面白いしブログのネタになるのでやれるだけ自分でやってみるつもりだ。
司法書士に相談だけでもって思ったら相続不動産の名義変更手続き・売却の無料相談のTRAD相続に相談してみたらいかがだろうか。