米国Amazonがインセンティブ提供によるレビューの原則禁止を規約に盛り込んだそうです。これはタダで商品をあげるから良いレビューよろしくねというのを防止する目的です。
いずれ日本のAmazonでも規約が改定されて禁止になるのは間違いないでしょう。なにしろAmazonは地球上で一番お客さんを大切にする会社らしいので。
Amazon.com がカスタマーレビューの規約を変更しました。従来は本文に明記することを条件に認めていた報酬つきレビュー、いわゆる「レビューしてくれるなら商品を無料で提供するよ」で書かれたカスタマーレビューは、今後は一部の例外を除き禁止になります。
〜中略〜
インセンティブを提示して高い評価を求めるメーカーと、報酬の継続を期待して高評価をつけるレビュアーによって、カスタマーレビューが歪み信頼が損なわれる
引用:米アマゾンが「商品もらってレビュー」を禁止。書籍とAmazon Vineは例外 – Engadget Japanese
と、それについて考察しようとこの記事を書いている途中で某メーカーからメールがきました。これによるとAmazonが禁止している無料サンプルのレビューという条件をうまく迂回するために「今後は一旦は有償で買ってもらうがPayPalで返金するという方法を取ろうと思うがどうですか」という旨の内容です。
文面から察するに日本人ではなさそうです。どうもあちらの国の人はなんとしても良いレビューを書いて欲しいという思いが強いようです。
ちなみに日本のAmazonの出品規約は10月7日時点では以下のようになっています。
Amazon.co.jp ヘルプ: Amazonマーケットプレイス 出品規約
これによると「良いレビューだけを書くお願いや、報奨金を提供するようなカスタマーレビューの依頼は禁止」されています。
Amazonの無料サンプルレビューの禁止に思うこと
提灯記事は即刻禁止すべし
Amazonの規約改定はすごく大事なことでお客さんは少なからずレビューを読んで買うかどうか決めているのでこの禁止は有意義だと思います。日本のAmazonでも遅かれ早かれ同様の規約になるのではないでしょうか。誰でもほとんどの買い物をするとき他の購入者のレビューを1つや2つ読んで参考にしますよね。
かくいうぼくもおかげさまで多くのメーカーさんからレビュー商品を無料で提供いただいてレビューをブログで記事として書いたりAmazon商品レビューページに書き込んだりとしてきました。しかしメーカーさんの中には星の数を指定とまではいいませんが、星が少ないと露骨に「星を増やしてくれないと上司から怒られる」という担当者がいます。
そんなん知るか!って思いますが、最初のころはその要求に負けて星を「増やすよりは」とレビューそのものを削除したこともありました。
しかしそれではいけないんです。メーカーがどういう思惑だろうと購入を考えている人にとって有益なレビュー内容でなければ意味がありません。メーカーにとって有益なだけのレビューなら禁止するべきです。
この動きは日本のAmazonでも早期に追従するべきでしょう。
自分もいくつかサンプル商品を提供いただいたものでメーカーさんには申し訳ないなあと感じながら涙を飲んで低評価を下した商品があります。
バッテリーのキャパもさることながらまともに動画が撮れない
↑正直なレビューを書いたのですが、ガイドラインに抵触しているとかの理由で削除されてます。意味不明。
この商品はこれ。
サンプルレビューですが正直いって個人的には使い物にならないと感じます
↑これも正直なレビューを書いたのですが、ガイドラインに抵触しているとかの理由で削除されてます。意味不明。
この商品はこれ。
だって気に入らないんですもん。
こっちは提灯記事書くよなんて約束した覚えはないし、実際に使ってみてこれは酷いって思う商品に良い評価をつけるなんて他の購入者を欺くのはもちろん自分を欺くのがなにより許せません。
価格との相応が難しいところ
ただダメダメなレビューを書いていてもそれは単に嫌がらせをしているようで自分としても心苦しいところはあります。ですからダメ出しをする前に気をつけていることは「この商品は価格なりなのだろうか」ということです。
価格が同等類似品の相場に比べてバカ安くてそれで品質が酷いというときは「価格なり」でしょうという判断で悪い評価をしないようにしています。つまりこれくらいの価格ではあまり期待しないほうがいいでしょうという意味です。
逆にこんな酷い出来損ないをこんな値段で売っているなんてまるで詐○かと思うようなものはあまり遠慮することなくレビューを書きます。
機能や品質が優れていないからといってやみくもに低い評価をつけるのは考えものです。価格なりかどうかで意外に良い評価を付けたくなる場合もないこともないからです。
結局安物買いの銭失いになりかねない
最近レビュー依頼を寄こすメーカーはどうやら中国の新興メーカーあるいはメーカーは新興でなくとも新興の商社のようで名前が聞いたことないところばかりです。
そんな会社がいきなりAmazonの土俵で他の有名メーカーと競うにはある程度のユーザーレビューという裏付けがどうしても欲しいのでしょう。そのためにレビューの多い人(をどうやって情報得ているのかわかりませんが)に提供して星を稼ぎたいのでしょう。
しかし、実際にいくつもの商品を使ってみて思うのは皆なんだかイマイチ感が拭えないということです。確かに安く提供している価格ではあるのですが、もう少し値段載せてもいいからもう一歩満足できるもの作ってよって思います。
アップルの製品に慣れちゃってるからかもしれませんけどね。
アップルの製品て値段は他社のものより大なり小なり高いものが多いじゃないですか。スマホしかりパソコンしかりスマートウォッチしかり。でもそれらを買って超不満!っていう人はほとんどいないはず。スマートウォッチはわかりませんけど。
まあ要するに高額な価格設定だけのことはあるなと思います。それと対局的なのが振興メーカーの廉価商品かなと思います。
本当にマジで自腹で買ったら安物買いの銭失いになるなって思うものがたくさんあります。
中には良いものもある
中にはウン、これ良い!って思ってその後も便利に使わせてもらっているものもありますから必ずしもすべての新興メーカーの製品がパチもんのクズ商品ではないはず。例えば↓これらとか。
▼この2つは毎日ブログ書くときデスクで必ず使ってます。実に実用的です。
まとめ
そんなわけですからタイムセールでちょっと割安感が演出されていて、購入者レビューの星の平均がまあまあでも油断しないようにしましょう。やけに星の数が多いレビューは大いにサクラの疑いがあります。パトリック・ジェーンは自分が元エセサイキック(霊能者)だから他のエセサイキックも良くわかります(米国ドラマ「メンタリスト」の話)
自分がサクラに与しそうになってしまったからサクラっぽいのが良くわかりますw まあサクラやろうと思ってサクラやっている人はほとんどいないでしょうけど、タダで商品もらうとどうしても評価にバイアス(偏り)がかかってしまうのは統計的にいえるようです。
したがって米国Amazonがタダで商品配ってレビューすることを禁止したことに因んで日本でも実現したほうが良いと考えます。ぼくとしてはタダでサンプル商品を貰う機会が減るかもしれませんが、実際やってて疲れる部分もあるんです。
それは使ってみて酷いとネガティブなレビューを書かなければならないので憂鬱になります。良い商品で心から良いとレビューに書ければ三者(販売者、購入者、レビュー者)ともにハッピーですが、そうでないと誰かがアンハッピーです。
こんな酷い商品あるいは商品として成り立っていないようなものをよく臆面もなく売りに出すものだと感じるのも不快です。
いまだにサンプル提供によるレビュー依頼はあまり断らず受けていますが、いずれ依頼も減っていくでしょう。あるいは冒頭の引用のように狡猾な迂回措置を彼らは考えるのでしょうか。