実は今まであまり堂々と発言していませんでしたが、フロントキャリアブロックをつけてから前輪ブレーキのワイヤーとずいぶん干渉するようになって自転車に乗るのが憂鬱でした。
ですから改造することにしました。
考えていたほど難しくはなかったのですが面倒ではありました。
フロントブレーキの下から引き回し作業の全貌
用意するもの
自転車の前輪ブレーキは通常ワイヤーが上に伸びていますが、ブロンプトンの自転車だけはフロントキャリアブロックをつける都合上ワイヤーが下に伸びているのです。
ブロンプトンオーナーじゃないくせに結構ブロンプトンの構造に詳しくなってきました(笑)
自分の自転車もフロントキャリアブロックを着けた都合上、ブレーキが干渉するのをなんとかしたいと思っていましたが、方法がまとまらずにいました。
- 廃自転車から後輪用ブレーキワイヤー
- その他
フロントブレーキのワイヤー外し
▼まずはワイヤーを外します。
一部は夜作業したので写真が暗くなっておりますが、ご容赦ください。
ブレーキワイヤー通し
▼廃自転車からもらった後輪用ブレーキワイヤーを使います。
前輪用では短くて役に立ちません。
▼ワイヤーを抜くのは簡単なんですが、入れるのは結構面倒です。
ハンドルのテープを剥がしたくなかったものですから、なんとかここから見える小さな穴から入れます。
▼ここまでワイヤーを押し込めばもう作業は終わったようなものです。
▼もうひとつ面倒な作業がありました。
このブレーキワイヤーの端末についている名前はわかりませんが、丸いイモがあります。
STIレバーのイモはかなり小さく、同じくらい小さくしないとこのイモがブレーキレバーの中に収まりません。
よってヤスリかなにかでガリガリと削ります。
結果的にはこれを半分くらいの大きさにします。
▼ということで下からワイヤーを挿すのですが、廃自転車についていたワイヤー端末の長さ調整部品をこのように嵌めて通します。
問題は先端の固定
▼問題は上側のワイヤーの固定なのです。
写真のような固定だとブレーキワイヤーが横を向いておりやや弛んでしまいます。
これだとブレーキレバーを掴んだときに弛んでいるワイヤーが張るだけでブレーキのかかりが悪くなるという弊害があります。
これを回避するためにママチャリの後輪についている正爪エンド用のチェーン引き(チェーンテンション調整ボルト)を手に入れたいのですが、先ほどの廃自転車はママチャリではないのでこの部品がついていません。
▼ワイヤーがあちこちにふらつかないようインシュロックでフォークにゆるく縛り付けました。
ここをきつく縛ってしまうとブレーキが効かなくなってしまうのであくまでも緩くしばります。
前からついていたこの部品が余りました。
とくに使い途がありませんが、捨てずに取っておいた方がよいでしょう。
とりあえず形だけは下からブレーキにできましたが、まだブレーキとしての機能が半人前ですので先述の正爪エンド用のチェーン引きを手に入れたら完成できるはずです。
ワイヤー緩み防止策の部品物色
正爪ナントカはネットでも売られていました
が、送料込みとはいえあまり買いたくないです。
そこで自分で作ることを考えてみました。
ボルトにワッシャーを溶接すれば似たようなものができるのでは?
そう考えたワシは身の回りからめぼしいを物色しました。
幸い職場にはボルトやらワッシャーやらがゴロゴロしているので勝手ながらそのなかから適当な物を失敬させていただきました。
さて、溶接です。
Tig溶接という方法で簡単につけられそうだという当たりはつけておりました。
Tig溶接とはタングステンイナートガス溶接の略語で深い意味はわかりませんが、溶接棒を必要とせず、母材を直接溶かしてちょっとだけ溶接することができてしまう方法です。
本来は初心者向きではない技術なのですが、ちょっとだけならなんとかなると考えてやっちゃいました。
M5の30mmぐらいの六角ボルトの先端にM5ワッシャーをTig溶接でくっつけるのです。
直接見ながらやると失明の恐れがあるので溶接のスパークが発光する瞬間は目をつぶります。
瞼で遮っているとはいえすぐ間近で光る閃光は凄まじいものがありました。
そして正爪エンドチェーン引きもどきが完成していざ、仕事が終わって自転車につけようとしたら、がっかり。
M5ではなくM6でした。orz
もういちどM6のボルトとワッシャーで作り直しです。
自作した正爪エンド用チェーン引きでブレーキ終端部品
M6ボルトとナットで正爪エンド用チェーン引きをつくりました。
▼TIG溶接を駆使して、M6ボルトとフランジ付きナットを溶接してみたり、同じくボルトにワッシャーとナットを溶接してみたりと試してみました。
本来の正爪エンド用チェーン引きはナットではなくワッシャー状のバカ穴があいているだけですが、今回はブレーキワイヤー固定で使うので使用部品を減らすためにナットで作りました。
写真のものはボルトの頭がまだついていますが、このあと頭を切り落とします。。
▼そして取り付けた状態がこちらです。
終端部品と呼ぶことにしますが、この終端部品をブレーキキャリパーの上側M6雌ねじにねじ込み元からついていたワイヤー固定用のボルトでワイヤーを締めます。
これで終端部品の上からナットでガタ防止をすればOKです。
▼終端部品から伸びているブレーキワイヤーはだいぶ長いのですが、ブレーキとして機能するワイヤーは遊びがなくなり正常に効くようになりました。
▼少し引いて見てもブロンプトンのフロントキャリアブロックと干渉しなくなったのがわかると思います。
わかりにくいかな?
まあこれだけやったのです。自分のためにやっているのだから最高に妥協はしません。
▼ナットをつけてギシっとスパナで締めればブレーキは完成です。
ハンドル高くする
実をいうとSバッグでもクリーンスピードのエスプレッソはドロップハンドルがやや干渉しました。
そこでステムをひっくり返して少しだけハンドル位置を高くしてみました。
▼この写真ではあまりわかりやすくはありませんがSバッグのフタが少し擦るくらいでハンドルを回すにはほとんど支障ないほどになりました。
これでキャリアブロックが走行中に緩むことがなければ問題なくSバッグを前に取り付けてサイクリングが楽しめます。
▼ブレーキワイヤーをずいぶん余裕をもって引き回しましたので足を引っかけないように気をつけなくてはならないかなとも思いましたが、前輪の最後部より出っ張っていないので多分大丈夫でしょう。
今日はこう思ったよ
なんかこれだけいろいろやるくらいだったら最初からブロンプトンの自転車を買った方が早かったかもと思わなくもないですが、自転車を弄ることそのものが趣味の大きな部分を占めているのでよしとしましょう。
今年の前半は出雲大社に出かけて楽しみましたが、後半はぜんぜん旅行ができずに改造記録やら小ネタやら雑多な話やらで終始してしまった感があります。
来年こそは金沢!いきたいです。一人で・・・