何日か前に見かけた自転車に関する記事が面白かったのでちょっと意見を書いてみようと思う。
神戸市で放置自転車撲滅のために市の職員で目力が強そうな人の顔面アップの写真を看板にして放置する人に対し「見られているよ」という警告を発し、放置を予防しようという試みだ。
その措置に対し、市民から「喧嘩売っとんのか?」とか「子供が泣くからやめや」とか苦情が相次ぎ撤去に至ったとのこと。
さて賛否は?
神戸市の策
高さ約1メートルと約60センチの2種類の看板計12枚が、抜群の“目力”で、自転車で行き交う市民に「にらみ」をきかす。
そばを通りかかった同市垂水区のアルバイトの女性(51)は、看板を見て「じっと見られている感じがして、避けたくなりますね」と苦笑いを浮かべた。
引用:効果抜群「目力看板」神戸で大論争…放置自転車“激減”だが苦情も 「子供が泣く」「神戸にふさわしくない」 – cyclist
男性の目が見つめている。
どこに行っても、180度視界の範囲内にある限り男性の視線からは逃れられない。
2次元の写真は面白いもので、どこから見ても自分へ視線を感じてしまう。
この目の看板のおかげで放置自転車は1日あたり半分から1/10程度に減ったという。
なるほど、さすがの神戸市民も人の目は気になるのか。
市民からの苦情
「『デザイン都市』を掲げる神戸市の景観には、いかがなものか」
「にらまれているようで怖い」
「子供が泣く」
引用:効果抜群「目力看板」神戸で大論争…放置自転車“激減”だが苦情も 「子供が泣く」「神戸にふさわしくない」 – cyclist
いろいろ苦情があるらしい。
神戸の景観上、好ましくないという意見はどうだ?
放置自転車も十分に景観上好ましくないと思うが、こういう苦情をぶつける人はどういうものなら景観上問題ないと考えるのだろうか。
市の一担当者の顔ではなくアンジェリーナジョリーとか今だったらゼロ・グラビティが旬だからサンドラブロックとかハリウッドセレブの顔写真なら景観を損ねることもあるまいと思うがどうだろう。
そして「にらまれているようで怖い」という意見を同時に吸収するにはそれらハリウッドセレブに微笑んでもらって撮るという選択だ。
さらに「子供が泣く」という苦情にも同時に対応できてしまう。
ハリウッドセレブが微笑んでいる写真ならばもはや子供は泣くまい。どうだろうか。
結局は費用対効果では?
顔の写真なんて、しかも職員の顔写真なんて超ローコストなアイデアだと舌を巻くところだ。
さきほどのハリウッドセレブの顔写真を掲示すればなんて気軽に書いたが、実はものすごくコストがかかることは予想に難くないはずだ。
コストを無視してハリウッドセレブの顔写真で目力看板を作れば景観を損ねず(?)それなりに同等の効果はあると思う。
だがそのために神戸市の税金が何%上昇するか想像できない。
何台かの放置自転車抑制のために景観を損ねず、予防しようとして税金が数十%〜数倍になったらたまらない。
だったら職員の顔写真がベターな選択だ。
あるいは、そういう看板を一切置かずに、予算を割いて業者に撤去を依頼すればいいではないか。
毎日朝に晩に業者がトラックで多分駅前に乗り付けてガンガン自転車を積んでサーっと去っていく。
相当費用は覚悟しなければなるまい。
その費用がブラックボックスっぽくなっているから市民が訝しむのではないだろうか。
毎日撤去する業者の費用。
撤去した自転車を一時保管する場所の費用。
一時保管した自転車を管理する職員の人件費。
素人であるワシが思いつくだけでもざっとこれくらいは経費が必要になるとわかる。
それらの費用の負担を市民一人当たりでいくらになるという情報も含めて開示するのだ。
それらを大きな看板に印刷してその放置される場所に掲示しておけばどうだ?
ただし、放置する人はどんなにその看板に大きな額が書かれていても我がこととして受け取ることはないだろう。
おそらく1人あたりにすると年間数百円〜数千円程度になってしまうのではないだろうか。
年間数千円程度ならマジメに自転車置き場に停めるより安上がりだなんて思ってしまうのでは?
ということで効果は少ないだろう。
写真の質を上げてみては?
あの神戸市の放置自転車見張りの顔写真はシンメトリー(対称)でない。
意図的にそうしているのかもしれないが、それがひとつの景観を損ねるといわれる所以ではないだろうか。
あれを意図的に左右対称にし、微妙に微笑ませてみればいいのではないか。
左右対称というのは何にせよ美しさがあるものだ。
それがたとえ市の職員の顔でも違和感無く受け入れられると思う。
うん、たぶんそれだ。
建物の形では特に左右対称というのは美しい。インドの宮殿みたいな。
The Breathtaking Taj Mahal (view large) Photo by locket479
そいいう看板にすれば景観については誰も意義を唱えることはないと思う。
あとは子供が泣かないように修正して少し笑っているような顔にするとか。
異次元空間から見られているように見える
冒頭の写真を見て思ったのは、写真に人の顔を合成しているのか?ということだ。
普通あんな顔の看板なんてないからいきなり大きな顔が空中に見えると、「異次元への入り口から別の人が覗いているように見える」と感じた。
ということは、目力の顔写真ではなく「家政婦は見た」みたいなドアの陰からそおっと覗いているような写真を採用するとかも効果が期待できないか。
なんにしてもだ。
関東の人間なら人の目が「気になって気になって仕方が無い」というのもわかる。
何しろ関東の人間は人の目を気にする(と思う)
関西の人は一目なんて気にしないと思っていたがそうでもないとは、ちょっと意外だったからこんなに長々と書いてしまった。
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