美魔女(嫁氏)のママチャリがかなり劣化してまして、持ち主本人の劣化より自転車の劣化が断然早く困っておりました。
困るこたあないか。
そこでいろいろと補修を試みていますが今回はシフト切り替え周りが酷いことになってますので交換をしようと思いました。
しかし部品調達をするのに内装三段のシフトレバーとケーブル一式をセットで買えばよかったものを、なにを間違ったかロードバイク用のシフトインナーケーブルとアウターケーブルを買ってしまいました。
普通の常識ある人なら買い直すところですが、諦めきれないぼくはなんとかこれを使えないかとやってみて使えたので紹介します。
そもそもママチャリ用のシフトケーブルとロード用のそれとの違いは?後述します。
世の中にはあわてん坊さんがいてママチャリの内装三段ギアのシフトケーブルを交換するつもりでロードバイク用のシフトケーブルを買ってしまう人がいないとも限りません。
今回はそんな方の役に立つときが来るかもしれないと思いつつ、超絶ロングテールかつニッチなキーワード「ママチャリの内装三段シフトケーブル交換にロード用のシフトケーブルを適用する方法」です。
ママチャリ用のシフトケーブルとロード用の違い
シフトアウターケーブルに関してはロード用でもママチャリ用でも違いは無いと認識しています。違ってたらすみません。単に長さが違うぐらいだと思ってます。
違うのはインナーケーブルです。
ロード用はタイコがケーブルの片側にしかついていません。シフトレバー側にそのタイコがある側を取り付けてシフト機器側はボルトで位置決めをして固定し、終端はインナーエンドキャップで保護します。
一方ママチャリ用はケーブルの両側にタイコがついています。したがって長さ調整など必要ない、というかできない仕掛けです。さらにいうと最初からケーブルの両端にタイコがついているということは最初からアウターケーブルに入った状態で売られているということです。
そこが致命的にちがいます。
そして今回そういうママチャリ用のシフトケーブルセットいやシフトレバー付きを買わなかったためにタイコのついていない側をどうするか考えながら作業を行いました。
ママチャリのシフトケーブル交換
症状
▼かなり酷い状態になっていて全体像を写すのがはばかられるほどですから一部分ずつ撮りました。
▼外側の樹脂被覆がほとんど風化してボロボロと剥がれ落ちており、内側の螺旋状の保護ケーブルが剥き出しです。そんな状態ではさらに内側のシフトインナーケーブルにちゃんとテンションをかけることができず、したがってギア変速もまともにできない状態です。
(間違って)用意した部品
▼ママチャリをバラすまで間違っていると気付かなかったのがこの部品です。
シフトケーブル周り外す
シフトレバー側
▼レバー本体をまずはハンドルから外しちゃいましょう。
▼つぎにハウジングを外したらタイコが見えてきます。このタイコが引っかかっているのを外してインナーケーブルをフリーにしてあげます。
▼アウターケーブルとの接合部分の捻って動かすとインナーケーブルがガイドから外せるのであとはタイコを外せます。シフトレバーによって構造が多少違うと思いますが良く見れば誰でもできるのではないでしょうか。
内装三段の変速機側
▼内装三段変速機のハウジング部分のビスを緩めて外します。ビスを外せば簡単に外せると思います。
▼矢印部分のタイコを外さないと抜けませんがシフトレバー側である程度インナーケーブルがフリーになっているのでもうけっこうユルユルのはずです。。
▼最終的にはインナーケーブルのテンションを張っているテンション調整ボルトを緩めて外すのですが、その前にタイコ部分が引っかかっているのでまずはテンション調整ボルトをいっぱいまで入れてインナーケーブルを緩める必要があります。
▼タイコを外します。
▼インナーケーブルを緩め、かつ変速軸(と呼んでいいのかな?)を押す金具を回してタイコを遊ばせて外します。ピンセットかなにか使ったほうがよいかも。あとはテンション調整ボルトをいっぱいまで緩めれば一緒に外せます。
スプリングの回復(暫定)
▼新しいケーブルを取り付ける前にシフトレバーの調整もしておきましょう。多少というかかなりバネがヘタってましたので応急的ではありますが回復させます。この2レバータイプのものには3つバネがついておりまして2つは何とか加工できます。1つは中央の軸についているボルトを外してバネ部分を外します。ちゃんと取り付け方を覚えておきましょう。
▼このようなバネです。見ただけではわかりませんがかなりくたびれているはず。
▼あえて逆回しさせて強制的にテンション張るように無理やりやります。
アウターケーブルを敷設する
元のアウターケーブルを外しながら、それを追いかけるように新しいアウターケーブルを通していくとわからなくなりにくいと思いました。
▼そうしてシフトアウターケーブルはハンドルそばから三段ギア本体部分のそばまで通しました。
▼切断するのは実際にはどちら側でもよいのですが、手間を考えたらシフト機構側言い換えれば変速機本体側がよいでしょう。
なぜならインナーケーブルのタイコをシフトレバー側に持ってきたいからです。切断したいあたりに印を付けておきましょう。
印を付けたところをニッパー等で一所懸命切断します。もっと大きい工具を持っていればさらに切りやすいでしょう。
▼そしてタイコつきの終端がシフトレバー側になるようにハンドルのほうからインナーケーブルを通していきます。
変速機側のインナーケーブル終端固定
サーキュラースリーブという部品を使います。
かつてブロンプトンのキャリアブロックを社外自転車につけたときに使いました。これです。
https://jitenshatoryokou.com/how_to_install_carrier_block-9103.html
あのときは結局もっと良い手段に移行しましたのでこの部品が手元に残っていたのです。
▼さらにバックアップとして後ろから出ているケーブルをU字にターンさせてカシメます。
▼どんな部品をつかったかというとこれです。
自動車の電装系いじりでよく使う端子部品です。
▼そしてケーブルの終端はロード乗りの必需品であるインナーエンドキャップをプライヤーかペンチなどでカシメます。これはインナーケーブルに付属してました。
▼ハウジングを被せたときにけっこう干渉してシフトチェンジがスムーズにいかない恐れが多分にありますので1本あった軸に針金で強制的に繋げます。そんなに実害はないです。
仕上げ
▼一応スムーズに変速できるように以前買ったチェーンルブなんてのを適量つけちゃいます。
チェーンルブというくらいですからチェーン用の油です。果たして内装三段の変速機内に挿して大丈夫かなという心配は多少ありますすが、まああと数年持たせる程度の修理ですから目をつぶります。
これでハウジングを戻してビスで固定し、変速機構側は完了です。
あとがき
シフトレバー側のケーブルにはタイコがついていましたがロード用はタイコが縦についていまして、ママチャリ用のシフトレバーは横向きのタイコを付ける仕様なのかうまく入りませんでした。
それでもなんとか適当に固定してインナーケーブルが止まるようにできました。
で、ちゃんと変速はできたのかというと「なんとか大丈夫」という程度です。
実際専用のシフトインナーケーブルではなく終端の固定も適当だったのですがそこはなんとかなっております。ただ一番の劣化はバネと外側のハウジングです。
バネは矯正をしたもののそんなに強くは戻らず、シフトレバー側のハウジングは何度か付けたり外したりしているうちにぶっ壊れましたw
雨が降ったあとは油差しといてと言いましたがちょっとみっともない。写真はお見せできません。ターミネーターの末期みたいな状態と想像ください。
それでも今までアウターケーブルがボロボロで変速がままならなかったのが多少効くようになり嫁氏も満足してくれています。
そして毎月1000円積み立てろと言っておきました。2年も貯めれば次のママチャリが買えますからね。
【関連】ママチャリのチェーン交換の話もあります。